もの食う人々

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前稿で太り過ぎからスリムに復活した女優さんのことを書いたけど。。。。



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あんさんはどないやのん
とお尋ねの向きには



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「ここの焼き鳥。美味しいのよん」
としれっとかわすしかない。

お刺身や肝焼きも新鮮で
新潟は緑川酒造さんのお酒がおいしい。



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こちらの鶏料理のお店、今回はオーダーしなかったけど
なぜか、カルボナーラパスタもある。




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高度な文明社会に生きる私たちは、ただ「ものを食う」だけではない。

食器をこだわり花を飾り、照明やBGMでムードを演出することを
家庭でも、我々はこともなげにやってのけることができる。
さすれば食事の味は倍増し、おなかも心も満たされていく。
いつもは冴えない食卓が、たまに奮起すれば、
たとえ些細な設えでも、誰だってステキな一日を送ることができるのだ。

でも一方では「ささやかな物さえ食えない人」がいる。
そしてまた生きるために、
手に入れられるものなら「なんでも食らう人」がいる。
さらには、いくらでも贅沢な食事は手に入れられるのに
生きるためにしか「もの食えない」人もいる。





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辺見庸氏の「もの食う人々」を読んだのは随分前だ。

この地球上には、飢餓にあえぐ人々と並行して
飽食に甘んじる人々が、世界のあらゆる場所で同時に存在する。
読後、今よりずっと若かった私は、世界の貧困事情や食糧危機を
わかったような物言いで論じることの虚しさを感じた。

著者が旅のルポとして新聞にこれを連載し始めたのは
20数年前、日本でも本格的なグルメ時代が到来し、
空腹を満たすためだけでなく、より希少価値のある食材や
味の追及が言われるようになり、グルメ番組やグルメ雑誌が
メディアを賑やかにし始めたころだったと記憶する。

当時私はと言えば、子供たちの教育費が膨れ上がり始めたころで
そんなお洒落な雰囲気のレストランや、敷居の高そうな割烹には
とても行ける身分ではなく(考えてみれば今だって行ったことない)
でもいつか行けるかしらと、憧れと羨望の思いでテレビをガン見していた一人だった。

そんな時、話題を集めたこともあって、文庫になってから読んだこの本。
今は手元にないが、強く衝撃を受けたことだけは覚えている。






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食にお金をかけることは罪ではない。
人それぞれに持っている「美味しく感じる味」「一番のごちそう」
それを我慢して人生を送るなんて寂しい。

だが、食べ物を捨てることは罪に値する・・・・と思う。
そして、我が身はそのことについて完全に潔白かと問われれば
残念ながら首を横に振らざるを得ない。

しかたなく・・・・・・
そんな言い訳をしなかった戦中派の母は
まず食べ物を腐らせたり捨てたことはなかった。

そして今の彼女は、
ほとんど失ってしまった歯と、わずかに機能する嚥下能力と
旺盛な食欲に助けられながらの「もの食う人」である。
彼女にとって「食べる」という行為には努力が必要なのだ。
それは、言い換えれば
「生きるためにしかもの食えない人」となってしまった・・・・・
と言えるのかもしれない。そう言ってしまうのはあまりにも悲しいけれど。



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私は、「だから食べ物を粗末にするな」と言いたいわけでも
食に贅沢をする人を批判しているわけでもない。
食の業界において、捨てざるを得ない状況が現実としてあることは承知しているし
悲惨な世界の片隅に生きる人たちのことを、少しばかり知ったからといって
何も出来ないこんな罪深い人間である自分は、ただ感謝して
せめて食材を無駄なくおいしく、心豊かに食生活を送ることを心がけたい
そんな風に思っているだけだ。

そしてまた、当たり前の行為としての「食べる」ということが
自分自身も、いつか困難に成るのかもしれないということを思った時
世界に目を開かされた一冊としてかつて衝撃を受けた
このルポルタージュのことを何故だか思い出してしまったまでだ。
見た目より、摂食可能に調理された食事を食べる母の傍らで・・・・。

この本が今は教育現場で使用されたり、漫画もあるなんて知らなかった。

道徳的な押しつけでなく、世界を知るという意味でならいいが・・・・。












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Commented by tatuotoko0406 at 2018-02-17 18:29
なぜ人は太ってるより、痩せてるを愛すのだろう・・・
分からん・・・

ある程度の歳になったら、痩せぎすで後ろから肩を叩かれたらひっくり返りそうな体格よりはガッシリと安定した体格のほうが良いんじゃないか?

恰幅が良い、って言う言葉があったじゃないか!

・・・でも、ウエストが三桁になるのは阻止しよう^^; 体重も80はヤバイっしょ^^;×2
Commented by marucox0326 at 2018-02-17 23:10
> tatuotoko0406さん
こんばんは。
オレさんのお好みはぽっちゃりタイプ?

まあ、男性の場合は
がっしりと安定した体格とか恰幅が良いというのは
褒め言葉になりますが…(^^)
かといってこの歳になると、必死にダイエットして痩せても
返って妙な心配されたりしますからね。

健康第一で行きましょ(^^)
Commented by BBpinevalley at 2018-02-18 11:05
いつの時代にも貧富の差はあって、飽食する人も飢える人も居た訳だけど、今、その差が最も開いたという事実を思うと、民主主義もいい加減なものだと思いますね。
1980年代後期に前夫が、「今のアメリカ社会は、ちょうどモーツアルトが生きた時代と同じくらいの社会経済構成にある」と言ったのに、すごく驚いたのを覚えています。
エエ〜って、思っちゃった。
「あの、男がカツラ被って、白粉はたいて、タイツ履いてた時代と、今の貧富の差が同じくらいだっテェ?」と、信じがたかったのです。
それよりずっと貧富の差が拡大した今……驚くことも忘れてる自分が情けないです。
ホームレスにものやお金をあげたり、寄付したりリサイクルしたりでは、今の世の中の格差は埋めようもありません。
結局、人間は、バベルの塔を築いているに過ぎないのかもね…
Commented by francana at 2018-02-18 19:11
「もの食う人びと」、読んだことないのです。
marucoxさんが紹介してくださる本は、いくつか次の帰省時には買おうとメモしています。
不思議ですよね、時代が進むにつれて世の中は良くなりそうなものなのに、まったくそうではないなんて・・・
自分の無力を感じます。おっしゃるとおり、せめて自分の食生活だけはと思うしかありません。
焼き鳥、おいしそうです・・・!長芋も。葛餡のかかったのは何でしょう。
Commented by marucox0326 at 2018-02-18 20:39
> BBpinevalleyさん
コメントありがとうございます。
1980年代後半というと、日本はバブル景気真っただ中のころ、
そしてモーツアルトの生きた時代は貴族社会が歴然とあったころですよね。
そのころの貧困層の方が複雑で高度な文明社会でない分
まだどこか救いがあった気もしますが、いずれにしても世界的な格差社会は
ますます広がることは間違いないでしょう。

アメリカのホワイトプアの人達を描いた映画「ウィンターズボーン」を
ご存じでしょうか。鑑賞後とてもショックを受け、アメリカは病める大国なんだと
いうことをあらためて実感した映画です。
今は政治的発言も多いジェニファー・ローレンスが主演し、一躍認められた映画です。
そして日本では、欧米のようにボランティアというものがまだまだ一般まで
根付いていない、例えば小学校のPTAや町ぐるみで、そういう仕組みができて
皆が参加しやすい環境が何故ないのかと思います。
とまれ、冬季オリンピックで活躍する選手たちを見ていると
やっぱり人間の未来を信じたいという気持ちが強く沸くのも正直なところです。
おセンチな人間なもので^^;
Commented by marucox0326 at 2018-02-18 21:10
> francanaさん
こんにちわ。
「もの食う人びと」
結構読みやすかったですよ。
とにかくヨーロッパやアジアの色々な場所で著者は色々なものを食べるんです。
チェルノブイリで汚染された食物を食べざるを得ない人々や
バングラデシュでは残飯が売られていて、人のかじった肉だったかな、
が入っていて初めて残飯だったと知りビックリしたり・・・・

私もブロガーさんたちのご紹介の本は本当に興味深くて。
いくつか読んだりしていますヨ^^

昔に比べて便利さ、致命的な病気の撲滅、なによりもネットに代表される情報の発達は
私達に素晴らしい人生を与えてくれていると思います。それらを享受して生きていますので
物質的な文明社会の豊かさを否定はできないけれど、世界のあらゆる場所で何が起っているかを知る、そして考える機会をこの本は与えてくれました。

資本主義社会ですから富める者と貧しい者が出来るのは当然ながら、
あまりにも格差が広がり過ぎて、世界中がイライラしている。
だからトランプが支持され、いじめや差別、ひいてはテロや戦争の引き金に
・・・・・空しいですね。

葛餡のかかったのはレンコン饅頭だったと思います。
ここのお刺身は絶品なんです。
Commented by surgeon24hrs at 2018-02-20 01:15 x
おはようございます。

生き物というのはそれはそれは長い空腹の歴史を背負っているので、空腹に対する防御は非常に発達していますね。例えば血糖をあげるホルモンは何種類もあります。でも過食、飽食というのは生物にとってあまり例を見ないことなので、防御がほとんどありません。月桃を下げるホルモンは一種類だけです。なので簡単に太ってしまうのでしょうね。

世界規模での食の偏在、大きな問題ですね。

Commented by marucox0326 at 2018-02-20 10:40
> surgeon24hrsさん
こんにちわ。

数日絶食した方が味が分かるようになるとか
体調がいいなんて効果で、断食道場や絶食療法に通う人もいます。
それも長い歴史から得た空腹に耐える能力が備わっているからでしょうか。

太るのは容易く、痩せるのは難しい、でも一旦バランスを崩せば
極端な過食と嘔吐で、奇妙で悲しい負のスパイラルに陥ってしまう。
そうなると食べることの意味を見失ってしまいますよね。

お話しを伺って、過食に対する防御能力は殆どないのだよ君は!
という意識を持って食生活を送らないといけないなあと・・・・・^^+
Commented by cafe-moco-cafe at 2018-02-20 11:47
marucoxさん(*´∀`)♪

学費が大変な時期は贅沢できませんよね。
私と姉二人が同時期大学生の時は、両親がいつも大変そうでした。

『余ったケーキは棄てるの?』とお客様に聞かれます。
私は、昨年のオープン時だけは、予測できずに棄てました。今は一個も棄てていません。ショートケーキは一日に10~18個売れますが、必ず少な目に作り24時間以内に完売させます。フレッシュ果物を乗せるタルトは、土台を冷凍しておき、売れ具合を見て仕上げます。それでも残れば、くまモンと二人で食べたり、義理の母やご近所さんへ持っていきます。

食べ方=生き方なのでしょうね。『もの喰う人びと』たしか、学生時代に極度なダイエットをして疲れた時に読みました。繋がりで拒食症や過食症について、食べ物を与えられずに育ったアメリカの男の子の実話など、読みました。

だからこそ、食べ方や作り方はよくよく考えています。
モコ
Commented by marucox0326 at 2018-02-21 17:23
> cafe-moco-cafeさん
こんにちわ。

食産業に携わる人たちの御苦労は
おいしく安く提供するための努力も含めて
いかばかりかと思います。
再利用の道を探り、企業努力しても
なかなか追いつかないみたいですね。
一方では消費期限や産地の偽装問題なども後を絶ちませんし。
私たちは大量に廃棄される現場を見ないで済むことに
あぐらをかいているのかもしれません。。

特にモコさんたちのような生鮮食材を扱う方たちは
神経使いますよね。心していただかねば・・・・。

読んだ記憶だけはあるものの、忘れてしまうので、
最近は再読をよくしています^^
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by marucox0326 | 2018-02-17 10:40 | 日々の出来事 | Comments(10)

照る日もあれば曇る日も・・・。そんな日々の戯言です。


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