フランスはあまりに遠し・・・

昨夜からしんしんと降り始めた雪は
今朝になって、あたりを銀世界に変え
スコーンと晴れ渡った空の下
朝の光の中にキラキラと輝いていた。

今日は燃えないゴミの日。
我が家のあたりは午前8時半には収集車が回収しに来る。
捨てに行く途中、転ばないように気をつけなきゃと
昨夜から妙に緊張していた私。
うちの前の道路はやや傾斜しているのだ。

アラカン女のスッテンコロリンなんて可愛くもなんともない。



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これを書いている今、
雪は殆ど溶けて、眩しい日差しがリビングに伸びている。
買い物や小用は昨日のうちに済ませておいたし、
こんな日は「おこもり」に限る。

いやあ、お仕事で大変な方々には申し訳ないが・・・・・。



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ふらんすへ行きたしと思えども
ふらんすはあまりに遠し

萩原朔太郎の生きた時代よりはずっと
だれもが海外に行けるようになったとはいえ
頻繁にかの地へ足を運べるようなご身分でもなく
空を見上げてはため息をつく。

でも昨秋からブログをさぼっていた間
ちょこっとばかり、私の読書モードはフランスだった。




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というのも、2017年は
好きな澁澤龍彦の没後30年だったことにも多少関係している。

「生誕○○年」とか「没後○○年」とか、
切りのいい数字に出版社が色々企画してくれるのは
ファンにとっては興味をそそられるところだが
企画展などは東京方面ばかりなので、行くことは叶わず・・・・・。

山崎マリさんも名を連ねる『別冊文藝 澁澤龍彦ふたたび』を
買うかどうか非常に迷いながら、本の断捨離をしたところだったし、
私の所有する彼の関係書籍に読了を果たしていないものもいくつかあり、
まずはそれらの再読から始めることにしたのだった。



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名前だけは知っていたものの、澁澤氏の著作を読みだしたのは20年ほど前だ。
きっかけは鎌倉に行った際に訪れた「鎌倉文学館」訪問の際
彼のコーナーで資料をあれこれ見たことだった。

真夏の照り付ける太陽に背中を焼かれながら
坂道を登ってその瀟洒な建物に入った時には
全くそんなつもりはなかったのに
思わずのめりこんで長居をしてしまい
ツレに怒られてしまったことを覚えている。

私が最初に読んだのは
見知らぬヨーロッパの作家ばかりの手になる悪女の話だったか・・・・。

先日たまたま見たテレビ番組で、あの「今でしょ」の林修先生が、
「近頃の小説は『離乳食』だ」と発言されていたが、
澁澤龍彦の「胡桃の中の世界」に書かれるエッセイには噛み応えが半端ないものも多い。



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こちらも購入したのは随分前になるが、時々読み返す愛蔵の2冊。
フランス文学者ほか多くの顔をお持ちの巖谷國士氏は
澁澤の年少の友人であり理解者であり
彼の没後も、さらに「澁澤龍彦」という稀代の天才を世に知らしめた一人。



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さらに付け加えれば
名古屋駅近くの円頓寺商店街で
毎年開催される「フランス祭」にも行った。



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私は唸るほどの読書家ではない。
目の老化は著しく、とにかく長く読むと疲れるので
以前に比べて量は減ったし、
今の世の中、他にも興味をそそられることは溢れている。
だが、やはり読み出すとその世界の住人になってしまって
中々抜け出せないのが本のマジックである。

ああ、願わくば
もっと見える眼球が欲しい・・・・・。





























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Commented by sakuramoon7767ryo at 2018-01-25 16:29
ふらんすはあまりにも遠し
萩原朔太郎の時代からするとグッと近くはなったものの、やっぱり遠しですねフランスは🎵
Commented by tabi-to-ryokou at 2018-01-25 17:04
こんにちは
> 昨夜からしんしんと降り始めた雪は今朝になって、あたりを銀世界に変え 
> スコーンと晴れ渡った空の下朝の光の中にキラキラと輝いていた。
この文章から始まる日記はどんなに美しく、素晴らしい景色だろうと期待を持って
読み始めたら、次が
> 今日は燃えないゴミの日。我が家は午前8時半には収集車が回収しに来る。
これは、落差が大き過ぎませんか。
スコーンと晴れてていても、会社の椅子からスコーンと落ちそうになりました(笑)
で、今日の内容は、ゴミ収集車じゃなくて、澁澤龍彦ですね。
いやあ~~、読んだことないです。
今、もしかしてスコーンと椅子から落ちてないですか(^。^)
でも、今は古典の範囲でしょうがスタンダール、カミュ、サルトル、ゾラなんかは
若い時に読みました。だからどうなんだと言われても、どうってことないですが、
フランスが大好きな国の一つになりました。若い頃に読んだ本って、内容は
覚えてなくても、知らず知らずに感化はされますね。
アラカン女性は、平均余命があとたっぷり30年ありますから、目を労わりながら
じっくりと読書を楽しんで下さいね。
Commented by nobikunJ at 2018-01-25 17:20
中学生の頃だったと思いますが、東京の大学に通う兄が帰省した際、澁澤龍彦が編者を務める「血と薔薇」という雑誌を持ち帰って、見せてもらいました。
聖セバスチャンに扮した三島由紀夫が十字架に磔にされる白黒の写真が強烈で、衝撃を受けたことを覚えています。
もうゴダールとかのフランス映画は観ていましたが、それとは異なる、いわゆる「デカダンス」を初めて意識した時でもあったと思います。
そこからジャン・コクトーとかにはまっていきました。
懐かしい思い出です。

私もスラスラ本が読める眼球が欲しい。
最近は老眼と飛蚊症で、少し読書の体力が落ちてしまったように思います。
Commented by cool-witch at 2018-01-25 17:28
読書好きに目の衰えは悲しいですね。
私は白内障の手術を受けてから、
視力は良くなったのですが、
本を開いた途端に睡魔が…。
私にもフランスは遠いみたいです。
澁澤は読んだことがないので、今度チャレンジ。
眠くなりません用に。
Commented by francana at 2018-01-25 17:52
巖谷國士はだいぶ前に「ヨーロッパ 夢の町を歩く」など何冊かを読んで、今も大事にとってありますが、澁澤龍彦との関係はまったく知りませんでした。
澁澤氏の著作は恥ずかしながら読んだことがないのですが・・・がぜん興味がわきました。
近頃の小説は離乳食、ですか。分かるような気がします・・・読者もそれ相応になってきているのでしょうね。
そちらでも雪がかなり降ったのですね。あたたかくしてお過ごしくださいね~
Commented by nana at 2018-01-25 18:43 x
こんにちわ♪
萩原朔太郎のこの詩をはじめて知ったのは15歳の頃でした。
すてき~私も大人になったらぜひふらんすに行ってみたい。
そんな淡い憧れを抱いていましたが大人になった今でもまだ遠い国のままです。
でもふらんすという言葉だけでちょっと幸せ気分になれる私でもあります。
詩、小説、映画、旅番組、レストラン、そしてお洒落な方のブログ・・・
魅力いっぱいのふらんすが手の届くところにあります♪♪
これからもしばらくはこうして思いをあたためて、
そしていつかきっと行ってみたい。。。ふらんす。

>名古屋駅近くの円頓寺商店街で
毎年開催される「フランス祭」にも行った。

・・・名古屋のフランス祭、行ってみたい~
ふらんすに行く前に名古屋に行きたいな♪

暖かいお部屋の中で本を読んでいると幸せ。
冬を楽しみながらのんびり暮らしたいですね。
Commented by marucox0326 at 2018-01-25 23:41
> sakuramoon7767ryoさん

はい、10時間以上のフライトはやっぱりねえ。
でも行けるうちにParis以外の場所にも訪れたいと思っています。
Commented by marucox0326 at 2018-01-26 00:09
> tabi-to-ryokouさん
こんばんわ。
あら~~お怪我はありませんでしたでしょうか?
抒情性に欠けた展開でご免遊ばせ。
ここはリアリズムに徹しました・・・・なぁんて
文章力のなさをごまかす^^;

フランス古典文学にもお詳しい旅プラスさん。さすがですね。

スタンダールといえば「赤と黒」
でも私には映画のジェラール・フィリップ様です。
ダニエル・ダリューも気が遠くなるほど綺麗だった。
「異邦人」粗筋知って満足・・・・だって長いんだもん。
「水入らず」が本棚にありました。これさえ難解だったサルトル。
E・ゾラ・・・・悲惨、暗い、救いがない。
「居酒屋」と「ジェルミナル」これまた映画で観ました。タハッ^^;

Commented by marucox0326 at 2018-01-26 00:13
> cool-witchさん
まあ、すでに手術を・・・。
私も白内障のせいもあるんです。
でも一時的に視力が上がっても焦点を合わすのが大変だとか聞きます。
いつかはしないといけないのでしょうが。

澁澤作品、独特の幻想とエロスとの世界
「ねむり姫」は短編ですしお薦めです。
Commented by marucox0326 at 2018-01-26 00:26
> francanaさん
こんばんわ。

巖谷國士氏のご著書お持ちでしたか。
彼のヨーロッパの旅紀行は、時々読み返すのにぴったりですよね。
ご紹介した「映画 幻想の季節」も非常に中身の濃いエッセイなので、
拾い読みしながら楽しんでいます。

澁澤作品はかなり咀嚼が必要なものもあって、私も入り口程度なのですが
残酷と美しさ、エロスと頽廃、あの世界観はきっとお好きなんじゃないかな
Commented by marucox0326 at 2018-01-26 00:42
> nobikunJさん
こんばんわ。
順番が前後になってしまってゴメンナサイ。

そうそう「血と薔薇」も鎌倉文学館で見ました。
三島も彼がマル・キド・サドを日本に紹介しなかったら
「サド侯爵夫人」を書くことはなかったかもしれないし、
二人に通じるところはありますよね。
澁澤龍彦は物理や工学の知識も並外れていてその方面の文章は
とてつもなく難解なんですけど、私生活は結構ハチャメチャで。

早熟な中学生だったんですね、nobikunjさんのイメージ通りです。
Commented by marucox0326 at 2018-01-26 00:57
> nanaさん
こんばんわ。
はい、以前ブログでもこの「旅上」の一節を
呟いていらっしゃった記憶があります^^
朔太郎の「月に吠える」は持っているのですけど・・・・。

nanaさんが未だフランスの土を踏んでらっしゃらなかったとは意外です。

憧れの国へ行ったことがなくても、活字や映像など色々なメディアが
教えてくれますよね。きっといつか・・・・今は夢を温めておきましょう。
Commented at 2018-01-26 06:50
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by marucox0326 at 2018-01-26 11:55
> 2018/01/26 06:50の鍵コメさん、こんにちわ。
色々教えてくださりありがとうございます。
参考にさせていただきます。

ただ、鍵コメさんは私よりずっとお若いと思っていましたので
もう?と少し驚きました。「老婆心ながら」とおっしゃっていますし。

まだまだ寒さは続くようです。
ご自愛くださいネ。
Commented by katananke05 at 2018-01-26 15:40 x
フランスへ行きたしと思えども、、

多感な10代の頃は 好きな詩ばかりを集めては ノートを作っていましたよ〜
キェルケゴールとか、、
寝る前のベッドサイド読書がかかせないわたしですが
澁澤龍彦は読んだことがありません〜
図書館予約で「胡桃の中の世界」 いれてみます〜
ありがとう〜
Commented by marucox0326 at 2018-01-26 18:04
> katananke05さん
こんばんわ。

ほう、ノートを作ってらっしゃったなんて
相当お好きなのですね。
キェルケゴールって哲学者の?
読んだことないですけど、なんか難しそうですね。

ベッドで読む本・・・・・私にとっては睡眠導入剤です^^;
Commented by katananke05 at 2018-01-26 22:25 x
キェルヶゴールは ちょいとした 言葉をまとめた本があり、、
哲学書を読んだ訳ではありませぬ〜

ベッドで読む本、、わたしも 眠剤代わりです、、が
興が乗ると1時間半k来よんでいて 腕が痛くなりやめたり、、
いま K.石黒の 夜想曲をよみおえ 「わたしたちが 孤児だったころ」を
よみはじめましたよ〜
Commented by surgeon24hrs at 2018-01-27 05:59 x
こんにちは。

随分と振られたようですが、もうほとんど溶けているのですね。よかったですね。

読書を拝見させていただいと思ったのは、「marucoxさん、本の洗濯が並大抵ではないな。かなりの通人」と言うことです。素晴らしい!
Commented by marucox0326 at 2018-01-27 13:00
> katananke05さん
こんにちわ。

あ・そうなんですか。

寒い夜が続きます。
ベッドでの読書、お風邪など召されませんように。
Commented by marucox0326 at 2018-01-27 13:14
> surgeon24hrsさん
こんにちわ。

積雪は関東地方の方が凄かったんじゃあないでしょうか。
また来週末、日本は寒波襲来のようです^^;

「通人」ですか。というよりやや性格が屈折してるのかも^^;

私は観た映画や読んだ本について
全て記事にしているわけではありませんが
読書好きのブロガーさんのご本の紹介なども楽しみなんです。

surgeonさんが以前ご紹介されていた
「僕たちが何者でもなかったころの話をしよう」も面白く読みました。
是枝監督は好きな監督さんですし、山中教授と京大の永田先生のお話は
特に心に染みいりました。
Commented by umitosora14 at 2018-02-01 19:48
今晩は^^
本のお話し嬉しいです!
澁澤龍彦さんは、知りませんでした。
「胡桃の中の世界」、面白そう、って、早速ポチってしまいました 笑
萩原朔太郎は、中学生の頃に大好きでした
背伸びしたい年頃だったのかも。
今も詩集を一冊持ってます^^
本は学生の頃はすごく読んでて、成人以降はちょっとづつになってて。
それが、4年ほど前、読書好きの友人にめぐり合って、本好きが再燃♪
月4冊ほどのペースで読んでます。
目の老化で、半年ほど前から、近くが読みにくくなって、
年末に、思い切って、老眼鏡を作りました。
そしたら、本が読みやすいこと、感激してます 笑

フランス、3年ほど前に訪ねましたけど、魅力的な国ですね~
また、いつか訪ねたい国です
円頓寺商店街で「フランス祭」があるんですね~
教えてくださってありがとうございます!
調べたら秋ですね
今度の秋、行ってみようって思いました。
Commented by 40ansparis at 2018-02-01 21:38
marucox さん、またまたご無沙汰しています。出遅れました。
澁澤龍彦は、私はそれこそずっと知っていたにも関わらず、何となく近寄り難く感じて遠巻きに見て、結局読んだことがありません。今ならもし機会か訪れたらすうっと読めるのかもしれません。
若い頃の偏見は、まるで入ったことの無いおばけ屋敷に、中も何も実際に知らないくせに近寄らないような偏見でした。
人は無いものねだりなのでしょうか、私は逆に日本の歴史小説がたまに凄く読みたくなります、笑。
他の方の本棚を覗かせて頂くのって物凄く興味深いですね。
Commented by marucox0326 at 2018-02-01 23:46
> umitosora14さん
こんばんわ。

澁澤は、マル・キド・サドの著作を日本に紹介し、博覧強記で語学にも堪能
ヨーロッパの怪奇小説や幻想的な物語を訳したり、多くのエッセイも残しました。
また既存の考え方を揺るがし、三島由紀夫に「この人がいなかったら、
日本はどんなに淋しい国になるだろう」と言わしめた人物なんです。

朔太郎は私の場合、ご長女の萩原葉子氏の「蕁麻の家」を
読んで衝撃を受け興味を持ち、詩を読み始めました。
でも彼はフランスには行けなかったんですよね。引用した「旅上」ですが
「みづいろの窓によりかかりて われひとりうれしきことをおもはむ」
の部分が好きです。
いつもリリカルなお写真を撮られるumiさんですから
きっと言葉に鋭敏な方なのだろうなと思っていましたよ^^

来年はぜひ、円頓寺商店街「フランス祭」お出かけになって見てくださいネ。
Commented by marucox0326 at 2018-02-02 00:06
> 40ansparisさん
いえいえとんでもありません。ありがとうございます。

澁澤のエッセイは言葉の選び方が独特で魅力的
読みやすいものもあるし、物理工学関係は難しかったりします。

私の手持ちの本は彼に限らず短編集が多いですが
晩年に書かれた「高丘親王航海記」もお勧めです。最近再読ばかりですが
実は去年、新装された「澁澤龍彦玉手匣(エクラン)」を購入してしまいました。
こちらもアンソロジーでとても面白く素敵です。

「偏見」とはそもそも「無知」と親戚のようなもの・・・なのではないでしょうか^^+

私も欧米の歴史小説はよくわかりません^^;
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by marucox0326 | 2018-01-25 14:15 | 日々の出来事 | Trackback | Comments(24)

照る日もあれば曇る日も・・・。そんな日々の戯言です。


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