Naked Heart
2017年 01月 30日
今から思えば貴重な晴天だった。
思いっきり見上げた真っ青な空には
幾筋もの飛行機雲が・・・・。
穏やかに晴れた真冬の午後。
とはいえ、私の心をむき出しにするかのように
突風が足元を吹き抜ける。
そんないたずらな突然の木枯らしに
細い枝を揺らされても、
耐えて立つはだかんぼうの木々たち。
空を見上げるときは
大抵何かの答えを探している時。
スタンダードジャズの名曲に「Blue Skies」という
底抜けに明るいラブソングがあるけれど。
空は一つなのに複数形?・・・・・
つまりそれは、ここ愛知の空、南アフリカの空、フランスの空と
個々にあるものの集合体のイメージ。
果てしなく広がる大空の詩的な表現でもある・・・・とか。
ああでも、解けない謎のように
一向に答えは見つからない。
諦めてはるかかなたの外国の空の下に広がる景色を空想する。
私の知らない美しい島やそびえ立つ山を
寂れた漁村を、緑の丘を
せわしく人が行き交う金融街を
砂埃が吹き上げる砂漠を
そこに暮らし日々を営む人々も
笑ったり怒ったり悩んだりしながら
時折こんな風に、
首が痛くなるくらいに空を見上げているのだとしたら・・・・。
生きている限り
答えなど所詮見つかることのほうが奇跡なのだ。
深呼吸をして小さく長く息を吐いてみる。
心の枷は思いのほかたやすく剝がれていった。
かすかに小さな痣を残して。