食いしん坊のひとりごと
2016年 09月 30日
30年以上も前のことである。
その時テレビの映像は、ある店の前で行列に並び
にこやかにインタビューに答える女性を映し出していた。
その店というのは熱田神宮そばにある某有名鰻料理屋で
当時結婚したての大阪から名古屋市内に移り住んだばかりの私は
その画面を興味深く見つめていたのだった。
「鰻」といえば名古屋ではご存じ「ひつまぶし」である。
そもそもは、その熱田神宮そばにある某有名鰻料理屋が考案して
店で出していたものが、今ではどこの「鰻屋」でも出すようになった。
そればかりか東京や大阪の繁華街でも
「ひつまぶし」という文字をメニューに見かけることは少なくない。
驚くのは、「牛のひつまぶし」とか「ひつまぶし風」と銘打って
最後は薬味を乗せ、出汁をかけてお茶漬けで〆る
という食べ方が珍しくは無くなってきたことだ。
「うなぎ茶漬け」なるものは既にあった。
どう違うのかと考えてみたところ、
こちらは白いご飯に、鰻もしくは鰻の煮しめて佃煮状にしたものと
山葵を乗せ、上からお茶(番茶でも緑茶でも)をかけるという
シンプルなものだったように記憶する。
私が愛知県に住み始めたころには、さほどでもなかったように思うのだが
その後起こったご当地グルメブームに乗って
「名古屋メシ」は美味しいと盛んに喧伝された時期があった。
昨今では「天むす」「味噌煮込みうどん」「味噌カツ」「ひつまぶし」
プラス台湾ラーメン?が代表的な名古屋名物と言われている
・・・・・・・・・・・・気がする。
私が子供のころには、名古屋といえば「きしめん」と「ういろう」だったはずなのに。
比べてみれば、こちらは地味だしどうもエンターテイメント性にかける。
「食の流行」というものはめまぐるしく変遷するもので
いつしか本来の名産が後続にとって代わられてしまうということは
どこの地域でもそうなのだろう。
たまに帰るくらいでは「浦島太郎」状態だった私も
実母の遠距離介護で、しょっちゅう大阪と愛知を行き来しているおかげで
ここのところすでにもう、今現在の関西の事情通になりつつある。
とはいえ、
大阪名物「かすうどん」なんて言われても
かつての関西人の私には「なんやそれ?」なんである。
母はずいぶん食べなくなった。
でもお刺身や鰻は大好物で
ぺろりと平らげる。
やっぱり食べ物を残されるのは悲しいので
きれいに空になった器を見ると
私もほんのり幸せな気持ちになる。
さて
あなたはここで挙げた食べ物
召し上がった経験はおありだろうか。
正直なところ
私にはなぜあえて、鰻の身を切り刻むのか
最初に抱いた少しばかりの疑問が今も拭えずにいる。
熱田神宮そばの某有名鰻料理屋本店に
まだ行ったことがない私なので
それはひがみだと思っていただいて一向にかまわない。
ひがみついでに言えば上記に上げた名古屋メシベスト5のうち、
私が好んで食べるのは「天むす」だけである。
そしてうどんなら「きつねうどん」と決まっている。
「食の嗜好」というものは
故郷に限りなく繋がっている。
若い頃皆でクルマで名古屋に行ったときの印象は、道路が広いことと、喫茶店でコーヒーにいろんなものが付いてきたこと、それから餡トースト。
私も、確かに鰻を細かく切ってしまうのは、せっかくの身のふっくら感がもったいないと感じてしまいますね。でも今度行く機会があったら、ひつまぶし、いただいてみます。
おはようございます。
大海老フライを出すレストランももちろんありますよ~
でも海老フライ自体は全国的にあるのではずしました^^
味噌煮込みおでんとか味噌文化も多種ありますしね。
「小倉トースト」あれは食べると嵌ります^^
そうかつて(今もか?!)名古屋は、「大いなる田舎」とか言われておりました。
愛知県:魅力のない県のワーストですし^^;
おお、おっしゃる通り!鰻は大ぶりにカットしたものを食べたい!!
でも機会があったら本場の「ひつまぶし」召し上がってみてください。
お刺身美味しそう❗❗
鰻
熱田の名店ひつまぶし食べてみたいです。
大阪と愛知の往復大変ですね。
大阪に最後に行ったのは10年以上前です。
道頓堀付近や鶴橋などディープな大阪が楽しかったです。
焼き肉美味しかったなあー
たこ焼きのはしごしたり^^;
また行きたい地ですね。
こんばんわ。
ありがとうございます。こちらのお料理は
近くにできた、田舎には珍しくこじゃれた鰻屋さんのです。
その名店「蓬莱軒」にはまだ行かれたことがないのかなあ。
そこで修行されたようですよ。
sakuramoonさんは愛知県在住でいらっしゃいましたよね
ご出身もかしらん?私はお味噌は大好きなのですが、何にでも
お味噌をつけるのにはびっくりしました。
週に一度の遠距離介護生活ももう4年になります^^
確かに観光で行くには、ザ・大阪って感じのところに行かれたのですね。
私も、年々実感しています。
私、叔父叔母、いとこが名古屋に居ます。仕事の出張でも名古屋に何度か行きましたが、確かに食べ物、所謂名物の、、、は美味しくて好きでした。
天むす!久しく食べていないですが、あの食べる時のワクワクが一瞬蘇りました。
私も、大学から実家を出たと言うのに、未だに故郷の食べ物を身体が欲するのを感じますし、食べられた時にはとてつもなく身体がほぐれるのを感じますね〜。
そうですか。やはり長らく海外にいらっしゃっても
故郷を想うとき、一番に浮かぶのは味の記憶なのでしょうか。
ご親戚に名古屋在住の方が多くいらっしゃるのですね。
名古屋市はほかの大都市に比べたら物価も安く住み易く
いったん心を開くととても人情に篤い人が多いです。
ただ今一つ、インパクトに欠けるというか・・・・。
展覧会やコンサートの名古屋飛ばしも相変わらずありますし^^;
体が欲する味・・・・
ふるさとの味ってお母さんの味でもあるんですよね。