午睡から醒めて
2014年 07月 26日
蝉たちの騒がしいBGMにふっと我に帰る。
昨夜はなんやかやと夜更かししてしまったのに
朝は6時前に目が覚めて、一仕事した後
ソファーに寝転んで本を読んでいたら
いつの間にか眠ってしまったらしい。
じっとりと汗ばんだ首筋を、
冷やしたタオルでぬぐいながら
時計を見ると午後1時半。
昨日の深夜、NHKBSで見た「NINE]はあまり面白くなかった。
D・ルイスはもちろん、ぺネロぺ・クルスやジュディ・デンチ、
マリアン・コティヤールがかなり歌えていたのには驚いたが
吹き替えではないようだ。
「NINE]はフェリーニの「8 1/2]をミュージカル化した
ブロードウェイミュージカルで、トニー賞を取った作品の映画化なのだが
女優陣の熱演は称賛に値するものがあるようにも思えるけれど
私としては、同じロブ・マーシャル監督作品の「シカゴ」の方が見ごたえがあった。
もともと「8 1/2」自体がわかり易いタイプの映画ではないので
物語性がない分、曲やダンスに期待したのだが、ワクワクするほどには至らず。
フェデリコ・フェリーニは
コアな映画通には一番といってもいいほど
人気のある映画監督である。
私は映画通でもなければ、語るほどの知識もない
単なる映画好きだが、若いころは古い映画も含めて、
明るくてハッピーエンドで、洗練された
MGMやワーナーのハリウッド映画の方が断然好きだった。
父が洋画好きで、淀川長治が最後に解説をする「日曜洋画劇場」は
小学生のころから見るのを許されていたので、TVとはいえ
その頃に見た古い映画のほうが意外に覚えていたりする。
もちろん、その中でヨーロッパ映画も放映され見ていたが
中学生の時、マカロニウェスタンにはまり、
ジュリアーノ・ジェンマに夢中になった以外
長らくイタリアものに関心は薄かった。
何よりイタリア映画に出てくる豊満な女優さんに拒絶反応があった。
(特にフェリーニはね)
つまりは私も、エロティシズムに対して
憧れと嫌悪の感情を同時に持つ
昭和の女学生だったといえる(笑)
ただ、その中でも好きな作品や心に残る作品はいくつかある。
フィギュアスケートの大ちゃんに銅メダルをもたらし、
映画ファンのみならず、日本人にあまねく知られることとなった
フェリーニ監督の「道」もそのひとつ。
やはり淀川さんの「日曜洋画劇場」で見たのが最初だったから
私は小学生だったと思う。
TVで見て、浜辺で号泣するアンソニー・クイン演じるザンパノの
ラストシーンに子供ながら強く胸を打たれた。
失ったときにその大きさに気づいても、取り戻すことはできない大切なもの。
でも失なわなければ永遠に知ることはなかったろう心の痛みや後悔。
そんなザンパノの心象を表わすシーン。
けっしてイタリア的美人女優でない
ジュリエッタ・マシーナの無垢なまなざしも忘れられない。
彼女の死は、彼を感情のある血も涙も流す人間にしたと信じたいラストだった。
余談だが
マシ―ナ演じるジェルソミーナに
「世の中にあるものは何だって役に立ってるんだ、こんな石ころでも」
と言ったアルレッキーノ(後にザンパノに撲殺されてしまう)を演じた
リチャード・ベイスハートは、私の生まれた年(1956年)に製作された
ジョン・ヒューストン監督作品「白鯨」で、狂言回し的なィシュメールを演じていた。
これもやはり「日曜洋画劇場」で見て、衝撃を受けた作品で、
(というか、私はエイハブ船長役のグレゴリー・ペックの大ファンだった)
その後メルヴィルの原作も読んだし、脚本がレイ・ブラッドベリだということを
後年知り、映画製作にまつわる本も最近読んだばかりなのだが・・・・。
なんだかこの暑さのなか、
熱く語っちゃった。
さて
暑くて喉が渇くからと言って
冷たい飲み物ばかり取らないように注意している。
湯ざましを沢山飲むのが、近ごろの私の熱中症対策だ。
慣れるとなかなか調子がよろしい。
図書館の返却日が過ぎている。
涼やかなお菓子をつまみながら
残りは数ページ。
夕方には返せそうだ。
懐かしい! 荒野の・・・シリーズはよく見たもんです。
このジェルソミーナをテレサテンは唄ったのかなあ?
あるんですよ、このタイトルの詩。
ブログの内容を拝見してちょっとびっくりする部分があってコメントしました^^
実はイタリア映画[道]の内容です。
私はこの映画を知らなかったのですが、敬愛してやまない人生の
師匠のような方に[道]を一度観るように薦められ、衝撃を受けた
一作でした。ジュリッタマシーナの愛くるしさと騙されているのにも拘らず、ザンパノを信じる純真な心。そしてラストシーン、
もの悲しさも相まって、観終わった後も心に刺さるものがあり、
モノクロの世界がとても印象深く大好きな映画のひとつになりました。何だか私も熱くなってしまいました。。。。
hiina
ほう、オレさんもですか。
もうね、今思うとなんで?って
笑っちゃうぐらい好きだったんですヨ^^
14・5歳でしたかねえ。スティーブ・マックイーン
なんかもね。
テレサ・テンさん、同年代だけど
巧い歌手だったのにねえ・・・
そちらもお暑いことでしょう。
まあそうでしたか。私の中でもフェリーニのベストワンです。
初めて見たのが12・3歳だったので、非常に衝撃的でした。
二―ノ・ロ―タのテーマを改めて聞いても名曲は色あせず
心に迫るものがあります。撮影当時マシ―ナは33歳くらい
だったそうですが、童顔な故にすごく子供のような、
逆におばあさんのような不思議なヒロイン像として
私には写りました。
イタリア女優のイメージからはかけ離れた
彼女の容貌だからこそ、純粋で無垢な魂を
体現出来た、そして見る者に感動を与えたように思います。
なつかし~ぃなぁ(^^)
あのテーマ曲が曲がれると 頭の中に、風が吹き荒れる乾いた荒野の
風景が浮かびますよね。
先日、あるラジオ番組で、あのTV の・必殺仕事人のテーマ曲は、このマカロニウエスタンのイメージから作ったそうです・・・
な~んて話しを、してましたですよ。
私には、イタリアの映画音楽=トランペットのあの悲しげなメロディー
という感じで、一回聴くと頭の中にサビのフレーズが何回もリピート
しちゃう事が、たびたびで~す。(笑)
見ていらっしゃいましたか。
とにかくその後もTVで「洋画劇場」と名のつくものは
片っ端から見ていたませた子供でした^^
クリント・イーストウッドは私にとってはやはり
「ダーティ・ハリー」ですね。
その後の監督としての彼の作品も
とても好きでほとんど見ています。
「グラン・トリノ」が一押しかなあ。
初期の仕事人シリーズも好きでした。
緒方拳がお気に入りでしたね。
言われてみれば確かにテーマ曲は
そんな感じありますね。
トランペット・・・・そういえば
マイルスも聞いていただいて
ありがとうございます^^
映画は滅多に観にいきませんが、日曜洋画劇場はよく見てましたね!
当時は外国人、特に西洋人に対する憧れもあってか
すべてがカッコよく思えました(笑)
淀川長治氏も懐かしい…
そうですね。
私もすごく感動したはずなのに、本も映画も詳細を
忘れていることが多くて、新しい知識を詰め込むより
何であれ、再見することに時間を費やした方が
いいと感じています^^
有名な老舗のものではないのですヨ~
ありがとうございます。
chidoriさんもケーキより和菓子?
たまには自分のために見た目重視で
買いたくなります^^
あの頃外国映画と言えば欧米モンでしたものね。
一つの単語を最低3回は繰り返すあの淀長節
親しみやすい解説がよかったですよね。
だから私は学生時代も名画座にばかり通って古い映画ばかり観ていました。フェリーニの古い当時のポスターを先日ウインドーで見たところです。道、、随分観ていないから、私もまた観てみたくなりました。ハリウッド映画も、昔は夢があって素敵な映画が沢山ありましたね。コメディでもドタバタしていても品があって。
こね夏も古い映画ばかり探して観ています。
今も、よく私は映画を観るたびに、淀川さんならなんて解説したかなあ、、、と妄想しますよ。
私、、marucoxさんの話の小部屋の語り口、好きです〜。
はい、そのお話覚えていますヨ^^。
亡父(大正13年生)は映画が最大の娯楽だった時代に
育ち、でも戦争で若いころは欧米のカルチャーは禁止されて
いたので、平和な時代になってTVで洋画を見られることが
とても嬉しかったんではないかと思います。
フェリーニは日本ではベスト10に入る
人気の監督ですが、ヨーロッパでもなのでしょうか。
イタリア映画についていえば、私のベストワンはつい最近まで
J・トルナ―レ監督の「ニューシネマパラダイス」。
R・ベ二ーニ監督の作品はあんまり好きじゃないんです実は^^;
音楽や映画について専門的なブログは沢山あるので
あくまでファンとしての目線でしかないのですが
いつもありがとうございます。
父親は全然、観ない人で(時代劇派)・・・なのに、私と兄は
日曜洋画劇場はよく観てました。
淀川さん、最後の解説がビデオに残ってて
しばらく消せなかったなぁ・・・。 『道』も凄く印象に残ってます。
イタリア語は全然わからないけど、『La Strada』の意味だけわかります(笑)
もう一度、観たいかも。
時代劇‥‥‥‥いいじゃないですか。
『水戸黄門』とか見だすと結構
嵌まりますよ。
でも『日曜洋画劇場』に皆さん
思い入れを持ってらっしゃるようで
嬉しいです。
確か同じ店名の素敵なレストラン
行かれてましたよね(^^)v