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観てはいないけれど

「PERFECT DAYS」
エキサイトブログ上でも話題になっているようだ。
普段映画館にあまり行かないシニアの方々にも評価が高い。

かく言う私は、そんなポスト(エキサイト以外も含め)
を読んでいるうちに、すっかり観た気になってしまった。
そしてサントラに興味が沸いて調べてみたら
俄然それらについて書きたくなった、観てもいないのに(笑)
そう、映画は見てないから感想は書けない。
でも使用された曲はほぼ知っている。
だからそれについてあれこれ書いても、
禁忌を冒したことにはならないよね(笑)


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音楽好きなら「PERFECT DAYS」というタイトルから
直ぐ連想されるルーリードのナンバー、「Perfect Days」
そしてA.ウォーホルがプロデュースしたルー・リードのバンド
ヴェルヴェット・アンダー・グラウンドの「Pale Blue Eyes」
この二曲の選曲が素晴らしい。
ルー・リードと言えば、酒乱でジャンキー、60年代ロック界の帝王であり
過激な言動でも知られるが、繊細に言葉を操る詩人としても知られている。
穏やかで優しい曲調は誰にでも受け入れられやすく、
けれど、だれもが知るほどでもないこの二曲を
選曲した時点で、監督の音楽の好みがわかるというものだ。

ヴィム・ヴェンダース監督は、哲学や詩作を学んだ人で
彼の作品「パリ・テキサス」「ベルリン・天使の歌」もまた
詩情に満ちた映画だったし、キューバ音楽に魅せられて作ったいう
ドキュメンタリー「ブエノスアイレスソーシャルクラブ」にも
彼の音楽の造詣の深さを感じる。やっぱ、良い劇映画は
音楽の良し悪しにかかってるから、その意味でも
「PERFECT DAYS」は成功しているんだろうね(観ていないけど)


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以下はサウンドトラックリスト。
The Kinks 「Sunny Afternoon」
The animals 「House of The Rising Sun」
The Rolling Stones 「Sleepy City」
Van Morrison 「Brown Eyed Girl」
Patti Smith 「Redondo Beach」
これら60年代の英米ロックの名曲に混じって
ソウルフルな Otis Redding 「The Dog of The Bay」
Jazzの名曲 「Feeling Good」はNina Simoneバージョン

どれも有名どころだが、その中に唯一、日本の曲
金延幸子「青い魚」が選ばれている。
この人、誰だろうと思って調べてみると、
彼女は、大阪出身で70年代初めにデビューしたフォークソングシンガー、
その後アメリカにわたり、ミュージックシーンから遠のいていたが
90年代半ばに復帰、この「青い海」は細野忠臣がプロデュースとある。
ならば私も高校生のころ、彼女の声を聴いたことがあるかもしれない。

アニマルズの「House of The Rising Sun」は
日本語で石川さゆりが歌っているとか。わっそうなんだ!
「朝日のあたる家」という邦題で、すごく流行ってた高校時代。
明るいイメージを思い浮かべるかもしれないが、
曲調の暗さと同じく、houseは娼館を思わせる内容で暗い。
YouTubeでその場面が少しだけ見ることが出来た。
さすが、カラオケを使わずズバリ彼女の歌にしていて引き込まれる。
もっと聞きたいくらいだった。

「パンクの女王」パティ・スミスについては、さほど詳しくはない。
サム・シェパードやロバート・メイプルソープほかの男性遍歴は
知っているが、彼女の曲は特に好きでも嫌いでもなかった。
でも今回、改めてアルバム「Horses」を聞いてみると
悪く無いなと思い始めている・・・・・それにしても
ALSで亡くなったサム・シェパードは大好きだった。
ヴェンダース監督の「パリ・テキサス」の脚本は彼の手による。
本人は劇作家が本業と言うが、「天国の日々」の若き彼は
主役のギア様よりずっと素敵だった。

ラストシーンにはニーナ・シモン「Feeling Good」を持ってくる・・・・か。
大分前にブログに張り付けたのは、マイケル・ブーブレの歌唱だった。
彼女も最高。ヴェンダース監督のセンスにうなる。

しつこいようだが、映画は見ていない。
それなのに歌詞とサウンドと映画のイメージが頭の中でシンクロして
木漏れ日がふりそそぐ優しい音の世界の中の東京の公園を想う。
観てもいないのにね。
でも観てもいないからこその映像が頭に浮かんでくる。

だからどうか、「観てもいないくせに」とは言わないで(笑)




# by marucox0326 | 2024-03-19 11:07 | スクリーンの向こうに | Trackback | Comments(6)

照る日もあれば曇る日も・・・。そんな日々の戯言です。


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