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ジム・ジャームッシュの世界観 新作そして#2

さて前記事のつづき・・・・
J・ジャームッシュ監督についてもう少し。



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「パターソン」を観たら、またあの映画を見たくなってしまった。

まあ、お茶でも飲みながら・・・・。


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「ナイト・オン・ザ・プラネット」(1991年アメリカ)

全編に流れる音楽はトム・ウェイツ。これまたとてもいい。
彼の歌声は大好きなのだ。それについてはこちらにも
俳優としての彼を初めて意識したのは
ロバート・アルトマン監督の「ショート・カッツ」だったので
ジャームッシュ作品での彼はよく知らない。
「ダウン・バイ・ロー」はロベルト・ベリーニが苦手で見ていないのだ。

当時は、大好きなウィノナ・ライダー狙いで観た
「ナイト・オン・ザ・プラネット」だが、
5編のストーリーから成るオムニバス映画で
地球上の5つの都市を背景に、
タクシードライバーとその客のやりとりから描かれるのは
国籍も、人種も、生活状況も違うそれぞれの人生の断片。

鑑賞後、この映画の世界観にとても心が揺さぶられたのだった。。




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最初のエピソードは、当時が一番輝いてたウィノナ・ライダーと
「グロリア」のゴッド姐さん、ジーナ・ローランズという大物同志を
配し、ロスアンジェルスの空港から始まる。

ロスのタクシードライバーを演じるウィノナ・ライダーは
少年のようにキュートだったし
(実際お客のジーナにboyなんて呼ばれたりしていた)
ハリウッドのキャスティング・ディレクターという役どころで
彼女のお客を演じたジーナ・ノーランズは
「グロリア」の姐さんの雰囲気そのままだった。
ジーナ・ノーランズ・・・・・
若い方たちには「きみを読む物語」の
老いてからのヒロインを演じた女優さんといった方がわかるだろうか

ひっきりなしにたばこを吸い、ガムも噛みながら運転するウィノナに
「吸い過ぎよ」とか警告しながら、
「あなたの人生の最終目標ってイエローキャブのドライバーなの?」とジーナは聞く。
彼女は「ちがう、修理工になりたいの」と答えるのだが
その「メキヤァニック」の言い方がやけに耳についた事を思い出す・・・・。

ロスには、ハリウッド女優になりたくて
田舎から出てくる女の子がワンサカいて
生活のためにしかたなく様々な職に就きながら
いつか映画関係者の目に留まることを夢見ている。
「ラ・ラ・ランド」のヒロイン、ミアのように。
さすがのジーナ姐さん、先見の明でこの娘ッ子はイイと睨んだか
それとなく鼻先にニンジンをぶら下げるがごとく、映画に出てみないかと持ちかける。




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この間の、小柄で化粧っ気のないW・ライダースと
大柄で派手なファッションのJ・ノーランズのやり取りがいい。

「あんたが真剣なのはわかってる。でも私がなりたいのは・・・・メキヤァニック」
むろんこんなふうじゃあなかった。でも・・・・
W・ライダースの「メキヤァニック」、ああ耳について離れない・・・・。

ニューヨーク編では、ドイツ移民のドライバーの
英語も運転もたどたどしいのに業を煮やした客の黒人青年が
運転を代わろうとまでするが、彼の身の上話に次第に打ち解けていき・・・・・
パリ編では、あのベアトリス・ダルが盲目の女を
リアルにクールで色っぽく演じ、シニカルなエンディング。
ローマ編は、ロベルト・ベニーニのドライバーが、
大げさな身振り手振りでしゃべり続け、終わり方がちょっとシュール。

そして最後の雪のヘルシンキ編が、実は一番好きなエピソード。

おかげで、しばらくアキ・カウリスマキ監督作品に嵌っていくつかはビデオで観た。
中でも「ル・アーブルの靴磨き」は、特に印象に残っている。



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街はもうハロウィンムード。

仮装で大騒ぎは定着しつつあるが
「Trick or Treat」はどうなんだろ。



















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by marucox0326 | 2017-10-03 21:00 | スクリーンの向こうに | Comments(16)

ジム・ジャームッシュの世界観 新作そして・・・・・#1

ごく平凡な市井の人々の日々。

それは、朝起きて生活のために働き、
変わり映えのしない三度の食事を摂り
夜になればとりあえず床に就くといったありきたりの毎日。

そうやって繰り返される日々の営みの中には
突然やってきた解けない謎のような出来事に苦しんだり
波のように押し寄せる悲しみに出会って
ただひたすらに耐え忍び夜明けを待つ・・・・そんなこともあるだろう。

でも人はそんな中でも、
ささやかな楽しみに時間を割いてしばし心の充足を手にし
小さな幸福のかけらを抱きしめて生きていく。
何事もなく無事に過ぎた一日に感謝して・・・・。


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「パターソン」2017年 アメリカ ジム・ジャームッシュ監督

先日映画館で観たこの作品
描かれるのはこともなげに過ぎてゆく日常。
同じ朝、同じ同僚との会話、
一見退屈にも思える展開のなさなのに
観終わった後、じわじわと幸福感に包まれてしまうのはなぜだろう。

それはこの作品の中に流れる「詩」というものの存在に他ならない。
ここでは「詩」が重要なファクターだ。

私は知らなかったが、このパターソン市から、医師にして詩人である
ウィリアム・カルロス・ウィリアムズという人物が輩出されていて
彼は長詩「パターソン」を書いていることに、監督がインスパイアされて
この脚本を書いたという経緯もあるようだ。


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主人公パターソン(アダム・ドライバー・彼がすごくいい。さらに好きになった)は
アメリカのニュージャージー州に実在する「パターソン」という町に住むバス運転手。
可愛いらしいパートナー、ローラと愛犬マービンとつつましく暮らしている。
町の名と同じ名前を持つ彼は、穏やかで優しく暇があれば詩作に励んでいるが
有名になりたいとか、才能を世に問いたいとかという野心があるようにも見えない。

描かれる一週間の出来事は、毎朝二人が眠るベッドのシーンから始まるのだが
ちょっとした出来事は起こってもそこから大事件には発展しないまま
毎日はただ過ぎて行くのだった。



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映画のシーンに重ねて、
画面にはアダム・ドライバー演じるパターソンが作った
詩の数々が映し出され朗読される。
この詩のリズムと深く抑制のある彼の声が
映像の中で川のせせらぎのように心地よく
彼らのなんということのない日常や風景を、ほんの少し色づかせていく。

英語はさほど難しい単語じゃないのに、この詩のニュアンスを
十分に理解して味わえないことがもどかしかった。

パターソンのパートナー、ローラを演じるのは
イラン出身のゴルシテフ・ファラハニ。
彼女はエキゾチックな美しさとユニークなファッションセンスを持ち
屈託のない笑顔で、200ドルのギターをネットで買うことを
パターソンに承諾させたり、あまり気乗りのしない彼に
書き溜めた詩のノートをコピーして発表するべきだと言ったりする。

でも可愛いらしくも拙い彼女の演奏を聞いてあげるパターソンの
(この曲がねえ、ちょっとびっくり。何故かは言えないけど)
穏やかな表情も限りなく優しい。

彼の周りを取り巻く人たち、その会話、そこにあるちょっとした可笑しみ
大きな事件は起こらずとも、妙な空気が流れたり、ズレた瞬間が訪れたりするのが
普通の生活を送る人間の常だと改めて思わせられたりした。

そして、偶然出会った詩を書きとめる少女とのほんの数分だけの交流が
その後の彼の気持ちに少しだけ変化を見せたように感じた。

一介のドライバーで終わるつもりだったかもしれないのに・・・・。
そんな彼はやはり詩人そのものだった。

だが・・・・・。



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それにしても
ラスト近くに唐突に表れる「日本人」との短い会話のシーン。
演じる永瀬正敏のいかにもという感じの風体と、
彼が日本から持ってきたという前述の長詩「パターソン」の本。
なんだかすごく変だった。
永瀬さんは「ミステリートレイン」の縁で、監督から出演をオファーされたそうだが
大学教授?疲れた日本のサラリーマン?、あんな本の装丁ってあるかね、とか・・・・・。
しかしこの滝の流れる公園(グレート・フォールズ・パーク)の映像は
とても日本的だったし、このシーンは印象的ではあった。

もしかしたらこれもまた
あえてのジャームッシュの狙いなのかも・・・・。



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久しぶりのジャームッシュ作品。
私には気持のいい余韻を残したが、好き嫌いはあるかもしれない。

引き続きジム・ジャームッシュ監督作品について
もう少しお付き合いくだされたし・・・・・・。


































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by marucox0326 | 2017-10-03 11:37 | スクリーンの向こうに | Comments(0)

It's sooooooo~cool !!

いよいよ行楽のシーズンである。
澄み渡った秋空の下のドライブは気持がいい。
そしてそんな時、車中で音楽を流す・・・・・・そんな人は少なくないはず。

気ままに一人でドライブ、ハンドルを握りながら
気に入ったメロディーがラジオから流れてきたら
思わず体を揺らしてリズムを取ってしまう、
そしていつのまにか歌いだす・・・・

ま・そんなヤカラは、私以外数人かもしれないが。




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彼は、幼いころの不幸な事故の後遺症か、
止むことのない耳鳴りに悩まされ
いつもイヤホンをして音楽を聞いている。
そして実はその幼い顔立ちに似合わない、
天才的テクニックを持つドライバーでもある。

ある日ひょんなことから、ワルの大物にその腕を見込まれて、
彼、ベイビーは悪の道に引きずり込まれてしまう。

銀行強盗には自らの手を染めないが、逃亡する際の車を運転するべく
犯罪者たちに加担している彼は、本当はナイーブで心優しい青年。

押し付けられた借金を返済し、そこから抜け出そうとするのだが・・・・。



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「ベイビー・ドライバー」
2017年アメリカ エドガー・ライト監督

予告の段階から見たくて見たくて。
やっと映画館に足を運んだのが数週間前。

主役を演じるアンセル・エルゴート
彼は「きっと星のせいじゃない」という
いわゆる難病物の映画で初めて知ったのだが、
その時も繊細で真っ直ぐな恋する青年を好演していたのが記憶に新しい。
最近の私、どんなに明るく描かれていようが
ー悲惨、悲劇、ツライ、セツナイ、でもカンドーさせるぜー
みたいな映画は避けてきたのだが、この作品は良かった。
「きっと星のせいじゃない」という邦題も
内容に沿ったニュアンスで素敵だし、印象深い作品だった。

今回はそんなアンセル君、
スタントにも挑戦しドリフト走行もやってのけ
音楽に合わせてリズム感よろしくダンサブルな動きも見せるなど
この超カッコいい映画の中で新骨頂を見せている。

最近は実写にこだわる作品が増えているが
こちらも冒頭からCGなしの激しいカーチェイスとクラッシュが続く。
いったい何台の車をぶっこわしたの?と聞きたくなるようなシーンが満載だ。

しかもこの映画の新しさは
単なるアクションものではなく
音楽が見事にリンクしているところだ。
あっという間にエキサイティングな2時間弱は疾走する。



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彼の恋人役には「シンデレラ」や「ダウントン・アビー」で
活躍が目覚ましい若手英女優のリリー・ジェイムズ。
コスチュームプレイが多い彼女だが、とてもチャーミングで役にピッタリ。

余談ながら、私には彼女のシンデレラは現代的すぎてややしっくりこなかったし、
むしろこの映画で魔女を演じたヘレナ・ボナム・カーターが
悪目立ちしてた感が拭えなかった。
ヘレナについては「眺めのいい部屋」や「鳩の翼」の彼女が大好きだったので
私としては当時の彼女のぶっとんだ役どころの多さに
演技派を通り越してどこへ行っちゃうのって感じだった。
ティム・バートン監督(彼の作品は大好きなんだけどね)
の影響が大きかったのかもしれないが、お別れして最近はちょっとご無沙汰だね。

おっと脱線はこの辺にして・・・・。

「ベイビードライバー」のキャスト
他には、ボスのドクを演じたケビン・スペイシー、
意外に出番が少ないバッツ役のジェイミーフォックス
それ以外は無名に近い俳優陣。
でもそれぞれにアクの強い個性的なワルたちだ。
終盤、彼らの素性が暗示される場面や、
人間らしさが垣間見える場面を挟み
ストーリーに膨らみを持たせながら
仲間からも警察からも追い詰められる
一見気弱な主人公ベイビー。
果たしてどうなってしまうのか。
ネタばれになるのでラストは言えないが、
たぶんエンディングについては意見が分かれるところだろう。
昔の私なら、手前のシーンで終わって欲しかったと思うかもしれない。

でも今は、このラスト、結構お気にいりだ。

さらに忘れていけないこの映画の最大の魅力
それはいわずもがな、音楽である。

監督自ら選んだという30曲は
カーアクションシーンでも、コミカルなベイビーの一挙手一投足にも
絶妙にマッチして気持よく、映画全体がグルーブしているみたいだ。
しかもそれらのナンバーは、60年代のソウルミュージック、レゲエやジャズ、
ヒップホップに至るまで実に多彩なのである。

たとえばこんな風・・・・
「テイクファイブ」でおなじみのデイブ・ブルーベック・カルテットの
「アンスクエア・ダンス」をバックに、ベイビーが指でカタカタ机を叩いたり、
回想シーンでスカイ・フェレイラが演じる母親が歌うのは
コモドアーズの「イージー」だったり。
もちろん、サイモンとガーファンクルの「ベイビー・ドライバー」も
最後の最後に流れる・・・・LP持ってたわ「明日に架ける橋」



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知らない曲も当然あって、
事前に予習しておけばよかったと思ったほどだ.

なかでも一番好きな場面。
冒頭のすさまじいカーチェイスのあと、
一仕事終えたワル達にベイビーがコーヒーを買って戻るシーン。
彼が街中を軽快なステップを踏みながら歩き、
そこにキャストのクレジットが重なり、
そのバックに流れるのがこれ。

ああ~ストーンズじゃんと思ったこの曲を最後にお届けしたい。

ただし、映画の中で使われているのは原曲のボブ&アールのもの。
こっちは知らなかった。








アクションが苦手な方も音楽に興味のない方も楽しめると思うよ~~。

























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by marucox0326 | 2017-09-20 20:41 | スクリーンの向こうに | Comments(12)

最近私的キネマあれこれ

今年に入ってから数本の映画を映画館で観た。

今月からは60歳パスで、一人で行っても料金は安くなる。
いよいよ自分もおばさんからおばあちゃんかと嘆息混じりに呟く。
でもシニアと呼ばれることに抵抗するより、年齢制限ありきで低価格になる
料金設定を素直に喜んで、もっと映画館に足を向けたい。
と思ってはいるのだが、いかんせんここ最近
これぞという作品に出会えていない。

心に引っかかった事柄ならどんなに些細なことでも
自分の言葉を紡ぎだそうともがくことを厭わないのに、
(結構この産みの苦しみ的感覚が好き)
その気が起こらなくて困っている。

生来のものぐさである故か、ブログを立ち上げたからといって
自分が読んだ本や、観賞した映画やお芝居やコンサートのすべてを
備忘録のようにアップするわけではない、この気まぐれブログ。

それでも
お話ししているうちにヒートアップするかもしれない(苦笑)


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「マリーゴールドホテル・幸せへの第二章」

一作品目の「マリーゴールドホテルで会いましょう」が
キャストが皆魅力的で素敵な映画だったので、期待値が高すぎたのかもしれない。
勇んで観に行った続編は、肩透かしを食らった、普通すぎて。

ホテルの若いオーナーを演じたデーブ・パテール
当たり前かもしれないが、『スラムドッグ$ミリオネア』の時とは随分印象が変わって
今作では、さらにおじさん化が進んでいた気がする。まだ20代半ばなのに・・・・。
(ファンの方々ごめんなさい)
そして改めて驚いたのは、私が通う英会話スクールの
すぐ辞めちゃった韓国系カナダ人の先生に雰囲気がすごく似ていたこと。
(前作観賞の折にはまだ英会話を習っていなかった)
見た目も、早口で良くしゃべるところも。

前作に感銘を受けたリチャード・ギアが、今作品に自ら進んで出演を望んだらしいが
このメンバーには、なんだかしっくりこない。むしろその違和感が狙いなのだろうか。
ホテルオーナーのママと恋に落ちる設定もなんだかなあ。
彼女とのシーンでのR・ギアの目線や表情はいつも通り・・・・実にエロっぽい。
そこだけ妙な空気が流れる。ギア様は何やってもギア様だね。

キャストがカップルでバイクに乗るシーンや、
お約束のボリウッドダンスを
英米人キャストも踊る圧巻のラストシーンを加えて
華やかさは加味されているのだが・・・・。

前作は思いがけない世界的なヒットだった。
今作はヒットを狙って製作された感が。これも続編の宿命?

でもこれらのシーンやハリウッドスターを迎えたりして
派手な演出が増えた点は、前作のファンから見れば好みが分かれるところだろう。

私的には、お気に入りのビル・ナイが出るシーンが多くて
それは大満足だった。





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「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」

シャーロック・ホームズは実在していた
そして90代となった今、若かりしころに引退を余儀なくされた
未解決事件に再び挑むことに・・・・・
なんてキャッチコピーにまんまと乗せられ観に行くも、観終わって唖然。
シャーロキアン諸氏は、この映画にミステリーを期待してはいけない。

我々から見て日本でのシーンが、
非常に奇妙な点は仕方ないにしても
数々のはてなが浮かぶ。

真田広之の役って何の意味が?
日本から大事に持ち帰った「山椒」は何の意味が?
シャーロック・ホームズって私立探偵だよね確か?
ほかにも?な点があったけれど、未見の方のためにこのくらいにしておく。

ただ、さすがの名優イアン・マッケラン
60代と90代の演じ分けが見事だった。
家政婦を演じたローラ・リニーは久しぶりに見たが
それにしてもまだ実年齢50歳そこそこのはずなのに・・・・・
う~ん、役作りか・・・いやそれならもっと若い設定でしょうが、
いやこれ以上はやめておこう。地味ながら好きな女優さんなので、つい。





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余談ながらローラ・リニーについて少し。
どちらかといえばインディペンデント系の映画出演が多く
英国俳優との共演が多いので、ずっとイギリス人だと思っていた。
調べたら実際はニューヨーク生まれのアメリカ人だった。
全然イメージ沸かないなあ。


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「偉大なるマルグリット」も観たんだけどねえ。
これ、実在した「世界的音痴」の富豪の女性がヒロインのモデル。
彼女についてのエピソードを元に作られたお話という触れ込みなのだが・・・・・。
本国フランスで大ヒットってほんまかいな。

現代でも、お金持ちで趣味で楽器演奏する人の中には
財力に物を言わせて私的にライブ張る人はいるけれどサ。

う~ん、ストーリーとしても、ずっとまだ何かあるに違いないと
思いつつ我慢してみていたが・・・・あの結末???は違うだろっって感じ。

カトリーヌ・フロは、結構好きな女優さんだけにとっても惜しい。

詳しくストーリーは言えないが、これだけは言いたい。

声を出して歌うときに音程の取れない人はすなわち
正確な音を聴き取る能力のない人のことを言うのだとしたら
それはどんな方法で聴くにせよ、正確に聴き取れないはずだってこと。





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なんだかんだ結局かなり温まってきたところだが
これにておしまいにしましょ。
お付き合いサンキュざんした。

























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by marucox0326 | 2016-04-12 19:21 | スクリーンの向こうに | Comments(4)

愛したひとは・・・・。

女子高出身の私は、15歳から18歳までの多感な時期を
古い言い方だが「女の園」で過ごした。
もう40年以上も前だけれど、それなりに進学校で風紀に厳しく
文化祭に男子を呼ぶのに、親と教師の印鑑が要るような学校で
優等生から私の様な劣等生まで、そこは多種多様な人種のるつぼだった。

そんな私だが、
靴箱に手紙が入っていたことや、請われて後輩と交換日記をしたことがある。
今から思えば、それはある種欲求のはけ口だった気もするし、
女ばかりだと、少しばかり変わっていたりボーイッシュだったりすると
もうそれだけで、憧れの対象に成り得てしまい
その延長の淡い疑似恋愛的感情があっても、それは自然な流れだった気がする。
むしろ男らしさや女らしさを強調されると、とたんに嫌悪感を催してしまう
そんな空気さえあった。

でもそこまでだった。
そのこと自体は、思春期の女の子の成長過程に過ぎない。

現代においてはタブーではなくなりつつあるとはいえ、
私には実際のところ、同性間の恋愛についてはよくわからない・・・・・・・・。



ーキャロルー
2016年アメリカ
監督トッド・ヘインズ

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少し前に観にいった話題作である。
私の場合、ルーニー・マーラー目当てでもあった。
彼女については、「ドラゴン・タトゥの女」で見て以来ファンになった。
スウェーデン版もCSチャンネルで見たが、
私にとってはリスベット役は彼女以外に考えられない・・・・・。
それほどまでに、あのセンシティヴで抱きしめたくなるような容姿や表情
そして少年の様なまなざしに惹かれた。

そして映画「キャロル」でも彼女のその繊細な魅力は
この切なくも美しいラブストーリーに、硬質な輝きを放っていた・・・・。




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二人の女が初めて出会うのは、1950年代のクリスマス商戦で賑わう
マンハッタンの高級デパートのおもちゃ売り場だ。

劇中におけるケイト・ブランシェット演じるキャロルに
華やかな美貌というものは感じられなかったが、
満たされない、愛に飢えた哀しい女が持つ不思議な磁力のような気配が
一目でブルジョアとわかるゴージャスなそのいでたちに、さらに奇妙な光を与えて
彼女の周りをぼんやりと鈍く浮かび上がらせている・・・・そんな印象だった。

謎めいた美しさで、ひときわ目立つキャロルの姿に
恋人がいながら、同じようにどこか満たされない思いでいた
ルーニー・マーラー演じるテレーズは
思わずじっと彼女を見つめてしまうのだった。



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アメリカといえども、同性愛など精神障害
もしくは社会的に異常者として扱われた時代だ。
男性なら職を奪われ、女性であっても精神病院に送られたり
治療を義務付けられた。

もしも・・・・・。
お飾りとしてだけでなく、心底夫から愛されていたのなら
夫が家庭をもっと顧みるような男だったなら
キャロルは幸せな主婦として安穏に暮したのだろうか。
そしてまたキャロルと出会わなくても、テレーズは果たして
写真家になる夢をかなえることができたのだろうか。




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テレーズはキャロルからの食事の誘いにも、断らずに出掛けて行く。
シーンごとに交わされる二人の視線のなかにあるのは
あの愛に飢えた哀しい女だけが持つ不思議な磁力のような気配だ。
そして私達観客は、彼女たちの行く末がなんであるかを
否応なく知らされてしまうのだ。

キャロルがテレーズを
ニューヨーク郊外の幼い娘と暮らすその家に招待した日
予告なく突如別居中の夫がやってきて
口論の末に、彼は娘を強引に連れて帰ってしまう。
結局、テレーズは失意の冷めやらぬキャロルの運転する車で
駅まで送られて帰ることになるのだが。

列車の座席に座ったとたん、その愛らしくピュアな横顔がゆがみ
溢れる涙に堪え切れず静かな嗚咽をもらすテレーズ。
このシーンがとても印象的だった。

その時彼女の胸中にこみあげる思いはなんだったのか。
同情?憐憫?愛?まだ説明のつかない感情?



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まだ公開中である。
是非、ご興味が沸いたならご覧いただければと思う。


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音楽も良かった。

劇中、スタンダードジャズ、「Easy・Riving」を
テレーズがピアノでポロリと弾くシーンがある。
この曲はビリー・ホリディが歌ったものが最初だが、その後
インスツルメンタルでも、ヴォーカルでも名だたるミュージシャンがカバーしている。

「あなたのために生きて行く、人生を捧げるのに悔いはないわ」
といった内容の歌詞だが、I’m easyというのは
君の決定に従うよ。いかようにでもしてくださいという意味がある。

しゃれた音で始まる導入部も素敵なのでご紹介したい。
雰囲気のあるノラ・ジョーンズの歌で。


「Easy・Riving」
1937年(Leo Robin/Ralph Rainger)

Living for you is easy living
it’s easy to live when you’re in love ・・・・。







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by marucox0326 | 2016-03-05 08:00 | スクリーンの向こうに | Comments(8)

機内でもイギリス映画に堪能♪

帰りの機内では映画を3本も見た。

往路では、日本語字幕で見たいのがなくて
仕方なく英語字幕でフランス映画を見たら、
拷問級のストレスに見舞われて結局撃沈。
イギリス入りする前から言葉の壁に
ゴンゴン頭をぶつけていた私。

しかし、帰りの機内では、日本語字幕もしくは
日本語吹き替えで興味をひくものが何本かあった。
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なかでも
トーマス・ハーディ原作、2015年製作のイギリス映画
「遥か群集を離れて」は見応えのある、大河ロマンドラマだった。
こういうタイプの映画は好きだ。






物語は、19世紀のイギリス。
男性に依存したり結婚によってしか、生計を維持する術のなかった
当時のイギリス人女性の中にあって、叔父から相続した農場を
切り盛りし、またその美貌で三人の異なるタイプの男性との
愛に翻弄されながら、ついには真の愛に辿りつく
美しき農場経営者バスシェイバの物語。
ヒロインをキャリー・マリガン、
最後に結ばれる羊飼いの男性ガブリエルをマティアス・スーナールツが
演じているのだが、彼が最高に素敵なのだ。
素朴ななかに、逞しさと繊細さと優しさをたたえたその表情・・・・・・。
もうすっかり彼の魅力にうっとりと浸ってしまった私。

そのマティアス・スーナールツ
最新作「ヴェルサイユの宮廷庭師」では
ケイト・ウィンスレットと共演。
予告編を見たが、K・ウィンスレット益々の貫禄である。
ただ太めなだけではなく、顔立ちや雰囲気も含めて・・・・
う~~んごっつあんデス。
彼とのラブストーリーもあるようだが、
いくらコスチュームプレイとはいえ、ちょっとなあ~

長身で肉体派の彼と並んでも、ガタイでは勝ってるね。

一方のキャリー・マリガン
親しみやすい風貌と確かな演技力で
英国女優の有望株といわれている彼女。

私の中では最近CSチャンネルで観た、「17歳の肖像」の
みずみずしく鮮烈な印象がまだ記憶に新しい。
「17歳~」でも、作品の中でどんどんキレイになっていった彼女だが
この「遥か~」では、男を虜にする美貌と言うより
きっぱりとした清潔感があって、笑うと少し子供っぽくて
純粋さと可憐さが滲み出ている反面、男たちに伍して経営者として渡り合う強さと
男性が支えずにはいられない危うさが共存していて、好ましく感情移入しやすかった。


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前稿では、くら~い内容ばかりご紹介したT・ハーディ作品だが、
この「遥か群集を離れて」(原題)Far from the Madding Crowdは
色々あった末に二人が結ばれるという
ハッピーエンドなので、カタルシス効果もありお薦めである。


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by marucox0326 | 2015-11-10 18:00 | スクリーンの向こうに | Comments(4)

イギリス映画・・・・陰鬱な英国の空にも似て#2

引き続きイギリス映画のお話。

それも労働者階級の人々を描いた作品の中で好きな映画たち


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ケン・ローチ監督
「ケス」「リフ・ラフ」「カルラの歌」
マイケル・ウィンターボトム監督
「ゴー・ナウ」「日蔭のふたり」「ひかりのまち」「いとしきエブリディ」
マーク・ハーマン監督
「ブラス」「シーズンチケット」「リトルヴォイス」
(太字は特に印象深い作品)



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中でも
「ゴー・ナウ」のロバート・カーライルに出会ってから
すっかり彼に嵌った私。
欧米人にしては小柄で特に美男と言うわけではないけれど
ふと見せるちょっとした表情がたまらない。

「トレインスポッティング」「リフ・ラフ」「カルラの歌」
「フル・モンティ」「アンジェラの灰」
など立て続けにビデオで見た。

イギリスの階層社会の暮らしや考え方、そして英国映画と言えば
避けては通れないアイルランド問題やそれに伴う宗教対立など
歴史の授業や本で得る知識以上に、映画は色々な事を私に教えてくれた。

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ー「ゴー・ナウ」ー
難病もののラブストーリーだが、
ときに下品な言い回しや、イギリス人らしい皮肉の利いたユーモアを
随所にちりばめながら、リアルな視点で淡々と
ある種突き放したようなタッチで描かれる。

多発性硬化症に侵されて、徐々に体の機能が失われていく
主人公の青年を演じたR・カーライルがなんとも切ない。

ラストの結婚式のシーン。新郎新婦のダンスを促された彼は
常に尿をためた袋をぶら下げていなければならないわが身を皮肉る。
彼らの行く末がどうなるかより、幸せな一瞬があればいい
その瞬間を、できるだけ長く1つ1つ積み重ねていければ・・・・

そんな感想の余韻を抱かせた作品だ。



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ー「アンジェラの灰」ー
時代背景は恐慌時代から第二次世界大戦のアイルランド。
原作者フランク・マコートの自伝的映画であり、
これ以上ないというくらい悲惨な一家の貧困生活が描かれる。

幼な子は次々と亡くなり、アイリッシュとしてのプライドだけは高いが
甲斐性のない父親はすぐいなくなり、残された家族は物乞いをしたりして
ついに母親は親戚の男か何かに囲われて、子供たちはこき使われる。
彼らの住む部屋にはトイレがなくて、男が部屋の中で置かれた洗面器に
ジョロジョロと用をたし、主人公フランクが路上に捨てに行くシーンがある。
これには驚いてしまう。日本人には理解しがたい感覚だ。

この映画では少しの金も飲み代に使い果たしてしまうが
子供への愛情は惜しみなく、どこか憎めないダメオヤジを演じた
ロバート・カーライル。まさにぴったりと役柄に嵌っていた。
どちらかと言えば、子役と母親役のエミリー・ワトソンが素晴らしくて
彼は脇に回っている感もあるけれど。

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アイルランドとイギリスの対立といえば、中学生の時映画館で観た
「ライアンの娘」(1970年デビッド・リーン監督)が最初だ。

しかし当時14歳の私には
映像だけでは描かれている社会背景もさることながら
サラ・マイルズ演じるロージーが不倫する女心などわかるわけもなく
あらゆる面でよく理解できず、面白いと思える作品ではなかった。
むしろサラ・マイルズのラブシーンだけが衝撃的で、ビックリドキドキだった。
よくこんなの観に行ったものだと思うのだが(もちろん友ダチとネ)
当時毎日放送に勤務している叔父から、よく映画のチケットをもらっていたので
内容もわからず私にくれたものと思われる。

後年何度かTVなどで再見して、もちろん大人になった私には
忘れられない名作映画のひとつになったが・・・・。

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さて、ロバート・カーライルであるが・・・・。
30代から40代初めの頃の彼はステキだったなあ・・・・。

最近TV映画で、ヒトラー役をやっていたのを見た。
イギリスでは数々の賞も取っているTV映画らしいのだが
もともと小柄で線の細い個性派だった彼が年を取ると
こんな風になっちゃうのかと・・・。

まるで
同窓会で、久し振りに憧れのヒトにあったら
いままで何だか魔法にかけられていたのが解けたように
残念ながら全然胸がときめかなかったのである。























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by marucox0326 | 2015-11-07 14:07 | スクリーンの向こうに | Comments(4)

本そして映画・・・・陰鬱な英国の空にも似て。

いや、おれはどんなことがあったって奴らに見せつけてやるんだ。
誠実とはどういうことかを。(中略)
ちきしょう、おれはこの決心をつらぬいてやるぞ。
おやじが苦しみをこらえ、医者どもを階段の下へ蹴落としたみたいにー(中略)
おれ自身があの物干づなに到達するのは
おれが死んで、向こう側に安楽な棺桶が用意されたときだ。
それまでは、おれはどんなに苦しくとも
自分ひとりの力で田野を駆けてゆく長距離走者なんだ。


「長距離走者の孤独」
アラン・シリトー著
丸谷才一/河野一郎訳 
原文より抜粋

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一人称で語られる非行少年スミスの
偽善的な感化院長への反発と抵抗。

それなりに恵まれた環境で、ぬくぬくと親の庇護を受けていたにもかかわらず
焼けつくような焦燥感と、やり場のない不満を抱えていた10代後半に出合ったこの本は
ほかの多くの愛読者と同じく、私にとっても青春の書である。

貧しくとも向上心を忘れず健気に生きる人々の物語よりも
激しく心を揺さぶられ、彼スミスの気持ちに寄りそうように
若いころ何度も読み返したものだ。

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ロンドンから北へ
列車の窓から見る風景は、のどかな丘陵地帯だったり
また逆に殺風景な工場や集合住宅だったり・・・・・。

そんな景色を眺めていると
イギリスの社会の底辺にあって
懸命に行きる人々のことを描いた
本や映画に思いが巡らされた。

まずは、暗くて悲惨といえば





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ートーマス・ハーディー


A・シリトーの時代から遡ることおよそ100年
ビクトリア朝時代の貧しい農村から始まるふたつの小説。

「日蔭者ジュード」と「ダーバヴィル家のテス」
2作とも映画化されている。
私はまずそれを見た後、興味が湧いて原作を読んだ。

前者は
マイケル・ウィンターボトム監督「日蔭の二人」
クリストファー・エクルストン/ケイト・ウィンスレット主演。
後者は
ロマン・ポランスキー監督「テス」
ナスターシャ・キンスキー主演。

どちらも悲劇的な結末の物語である。

「日蔭の二人」は、レイチェル・グリフィスという
私の好きな女優さんが出ているので、映画館まで観に行った。
どこまでも救いのない暗い話で、原作ではジュードは死んでしまうが
映画では去っていくスーにジュードが
「離れ離れになってもずっと夫婦だ」みたいなことを叫んで終わる。
このラストがやや希望が見える終わり方で私は映画の方が好きだ。



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K・ウィンスレットを初めて見たのは
「乙女の祈り」(ピーター・ジャクソン監督)
これはとても衝撃的な内容の映画だ。
その後見た「いつか晴れた日に」は
映画自体は、観た後にとても幸福感に満たされる内容であるものの
彼女の演技は相変わらず過剰な感じで,結果的には彼女の出世作になったとはいえ
風貌も顔立ちも役にあってたかと言えば、私の中ではいまだ疑問符が付く。
しかし「日蔭の二人」で彼女が演じたスーという女性は
世間の常識に抗う意志の強さみたいなものが滲み出ていて良かったと思う。

ちなみに「タイタニック」は未見。
実は予告の段階で見る気が失せてしまっていた。
当時まだ少年のおもざしの残るディカプリオの相手役として
彼女のキャラクターは、洗練された上品さと繊細さに欠けている気がした。


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映画の「テス」は、ナスターシャ・キンスキーがまばゆいばかりに美しい。
内容はこちらも幸せ感ゼロであるにもかかわらず、
彼女の美しさにもまして、コスチュームや風景などの映像美、音楽が素晴らしい。
映画を見たのは随分前だが、相手役の男優が、彼女が本当に愛したはずの
エンジェル(ピーター・ファース)よりアレック(リー・ローソン)の方が
ルックスも魅力的で、エンジェルはあまりに男として情けないし
どちらもテスよりはずっと裕福なのに、なんでこうなるのと思ったものだ。

N・キンスキーは「キャット・ピープル」より断然こちらの方が素敵だ。
パパの怪優クラウス・キンスキーにようく見ると似ているのだが
すべてが良い方に受け継がれている。
スティーブン・タイラーとリブ父娘といいキンスキー父娘といい、
優性遺伝もいいとこである。
あくまで、お顔立ちの話だが・・・・。

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イギリス滞在中、いちいち思いだされたイギリス文学と映画のお話
もうしばらく続くョ~~












































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by marucox0326 | 2015-11-04 01:37 | スクリーンの向こうに | Comments(0)

久々の鳥肌モン♪   ーセッションー

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観賞したのはひと月ほど前。
公開前から是非観たかった作品だった。
そして
久々に足を運んだ映画館で
久々に血液が逆流するようなゾワゾワ感に見舞われた。


『ラスト9分の興奮』
『ラスト9分でごはん3杯はイケる』
このキャッチコピーのエンディングは
実は読めてしまった。
それでも、圧巻のラストシーン(ネタばれになるので伏せるが)は
目を見張る!スゴイ!!


久々にイカレた気分で満足して、私は映画館を後にした。




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2015年 サンダンス映画祭グランプリ&観客賞受賞
      ゴールデングローブ賞助演男優賞(J・K・シモンズ)
      アカデミー賞助演男優賞(同)、録音賞、編集賞受賞

原題の「ウィップラッシュ」は1973年にハンク・レヴィが作曲した楽曲名。
1927年生まれ(2001年没)のハンク・レヴィは
スタン・ケントン楽団や“変拍子の神様”と言われたトランペッター
ドン・エリス(『フレンチ・コネクション』の音楽を担当したことも有名)
のビッグバンドのコンポーザーとして、数多くの作品を残しており
一つの楽曲の中で目まぐるしくリズムの変わる曲作りを好むことで
ミュージシャンの間では有名だったという。
ーシネマ・トリビューより、抜粋ー



流れる音楽はジャズ・・・・・
『キャラバン』などは、聴けば誰しもが判るスタンダードの名曲だ。
しかし、後日知ったことだが、劇中のジャズについての検証がゆるいという理由で
コアなジャズファンからはあまり支持されていないらしい。

だが、そんなことはどうでもいい。
この映画、まったくもって私好み!





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監督は弱冠28歳(制作当時)のディミアン・チャゼル。
脚本は自身の体験から着想を得て、短期間で製作。
若手映像作家の登竜門といわれるサンダンス映画祭でグランプリを受賞。
一躍脚光を浴び、国内外で多数の賞を受賞したわけだが
テレビでたまたま見たあの『激突』の衝撃が忘れられない私は
それを契機に世間に名を知らしめた、S・スピルバーグを思い起こす。



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主人公は若きドラマー。
自分の可能性を夢見て練習に励む一途な青年でしかなかった彼が
カリスマ的教師の目にとまり、彼のバンドクラスに誘われたことで
その人生の歯車は狂い始める・・・・・。

最初のレッスンで、彼はここが鬼教師に支配された
過酷な授業の場であるということを思い知らされる。
正確無比なテンポを要求するこの絶対権力者に、
それでも彼は食らいついていこうとするのだ。
果たしてこの後の展開は
芸術の神に選ばれしものだけが到達することができる高みへと
登りきるまでの、艱難辛苦のサクセスストーリーなのか、
成功はするが、転げ落ちていく破滅の物語なのか。






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ドラムというのは、リズムを刻み、他の楽器が
それをベースにメロディを乗せていくという意味では
正確であることは重要だ。
歌い手の立場でエラソーに言わせてもらうが
ドラムとベースさえきっちりとやってくれれば
他の楽器がなくても、気持ちよく歌えるというものだ。
でもジャズってもっと自由なものなんじゃないの?
そんな疑問も沸いてくる。
しかしここは学校だ。彼らはアマチュアであり
基礎を叩きこむ、地道に同じ練習を繰り返す、
それを怠っては一流にはなれない。



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幼さが残る口元に、やや気弱な表情を見せて
一流ドラマーを目指し、全米屈指の名門音楽院に入学した
マイルズ・テラー演じる主人公アンドリュー・ニーマンは
J・K・シモンズ演じる伝説的教師フレッチャーの
恐怖で支配されたジャズバンドのメンバーとして、
彼に認められたいがために、恋も捨て引きこもり
ただひたすら練習に励む。

ドラムにだけ向き合う毎日・・・・ストイックで健気な彼の姿は
やがて、何かに憑かれたように狂気に満ちたそれへと変貌していく。

そのさきに待っていた悲劇。

そして時は流れ、立ち寄ったバーで見かけた
フレッチャーからの思いがけない一言に
心を動かされたニーマンを待っていたものは・・・・。





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フレッチャーの生徒たちへの指導はサディスティックで横暴
罵詈雑言はもとより暴力をもいとわず、壮絶なシゴキが繰り広げられる。
その行動には人間性の微塵もないかのようだが、
それでも時折見せる優しさや、情のある言葉に
一流ミュージシャンを育てるための純粋すぎる
「愛の鞭」なのだろうかと、観る者は戸惑うシーンもある。

『スパイダーマン』で小間抜けな新聞社の編集長を
演じていた彼からは想像もつかない、この強烈なキャラクターを
スキンヘッドと鬼の形相で見事に体現し、助演男優賞を手にした
J・K・シモンズの渾身の演技力も見ものだ。

フレッチャーの非道な行いは
ただ優れた才能を伸ばしたかったゆえだったのか。
それとも
素晴らしい才能に出合って、嫉妬と畏怖の念にかられ
己が手にかけてその才能を破壊してしまいたい。
そんな感情に囚われてしまっただけなのか。

一方ニーマンは
わが身に宿る才能を、次第にはっきりと自覚していく。
そんな彼に皮肉な形で用意されたのは
一流のドラマーとして自分を認めさせるための格好の場面だったのだ。

そして
迷うことなく彼は決行する。





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やがて我々は知る。
一流と呼ぶにふさわしい場所へと上り詰めたものには
誰にも侵させない自分だけの世界があることを。





























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by marucox0326 | 2015-05-19 17:05 | スクリーンの向こうに | Comments(8)

イギリス映画あれこれ②

足元から冷え冷えとする朝。
こういう時にベッドから起きだすのは
相当辛い。泣きたくなるくらい。

今年の寒さはいったいどれほどまで?
考えるだけで憂鬱だ。

来るなよ~冬将軍
英語で言うと General Winter(まんまやん!)
この言葉、誰が言い出したのかと思いきや
1812年、ナポレオンがロシアに侵攻した際、
あまりの寒さに撤退したことから、厳しい寒さを
将軍になぞらえたという謂れがあるとか。

来るならせめて
「冬少佐」か「冬大尉」くらいにしてって
ゴロ悪いやんっ!

アラカンの一人突っ込み
毎度お見苦しいところ
おつきあい、ありがとさん。




やっと本題である。
しかも本編と全く関係ないマエフリからの・・・・。



「いとしのエブリデイ」 2012年イギリス映画 
              監督 マイケル・ウィンターボトム
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この映画
大きな事件は起こらない。

でも夫が不在の、子だくさんの家族が体験する
よくあるようなことを、映画は淡々と描いていく。
それはどこにでもある家族の風景。
唯一つ、ダークな要素である
「不在な父は犯罪者である」ということを除いては。

狩りに出かけたまま中々帰って来なかったり、
外出許可の出た父親に家族で会いに行った先で
どこかへいってしまい、親を心配させる長男。

長らくの夫のムショ暮らし、ついつい男になびいてしまう母親。

収監中でありながら、麻薬を刑務所内に持ち込み
刑務所移送の憂き目にあう父親。

それぞれにちょっぴり弱くて、複雑な内面を抱えつつ・・・・。

父不在の家で、子供たちは
毎朝シリアルを食べ、学校に行き、

日々は過ぎていく。

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収監中の夫に代わって昼夜働き
4人の子供を育てる母親を演じた
シャーリー・ヘンダーソンは、現在なんと48歳。

生活の辛さにヒステリックになったり、
にじみ出る疲れた表情が、童顔の彼女を
しばしば年齢相応に見せる瞬間がある。

それも監督の狙いだったのかと思ったりするが
実は彼女、ウィンターボトム監督作品の常連だ。

最近ではハリポタ(私は見ていない)にも出ているらしい。



そして、この映画にはドキュメンタリーな味わいも・・・・。

実際の刑務所で撮影されただけあって
刑務所内のシーンは臨場感がある。

その中での子供たちの様子もまた
単に可愛いというより、所在なくどこか戸惑っているよう。
周囲を気にしながら、それでも一生懸命に自分のことを
父親に話す様子が妙にリアルだし、
刑務所の場面での父親役のジョン・シムは
あまりに溶け込んでいて
実際に囚人なのかと錯覚してしまうほどだ。



そして夫は出所する。



出所した日の晩のベッドで、妻は夫に不在中の不倫を告白し
夫は子供たちにも聞こえるような罵声を彼女に浴びせたのだが・・・・。

その翌日の子供たちの合唱会。

歌う子供たちを笑顔で見守る二人の表情は
ごく普通の温かな親の顔でしかない。

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監督もお気に入りだというラストシーン。

家族は海に出かけ、
カメラは俯瞰しておわる。

なにごともなかったかのように。
ずうっと仲のいい家族であったかのように。

でも実際はそんなものだ。
彼らはこれからもちょっとしたもめごとを
起こしながらもこうして寄り添って離れずにいる気がする。
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お写真はパンフレットから
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by marucox0326 | 2013-11-29 18:06 | スクリーンの向こうに | Comments(0)

照る日もあれば曇る日も・・・。そんな日々の戯言です。


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