2017年 03月 06日 ( 1 )

夢の国の扉を開けて   ーLA・LA・LANDー

Dream・・・・・。
夢は見るもの、願うもの。
たとえ叶わなくても
夢見ることのできる人生は鮮やかに色づいている。

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週末観てきたのは、話題のミュージカル映画「LA・LA・LAND」である。

ラ・ラ・ランドとはロサンジェルス、主にハリウッドのニックネーム。
まさにそこは夢見る人が集まる場所であり
転じて夢見心地な気分、ハイな状態のことを言ったりするらしい。

獲得したアカデミー賞は主演女優賞と監督賞とあとなんだっけ。

ミュージカルは大好きだ。
舞台も映画もそれなりに見ているほうだと思う。
だがいかんせん、話題沸騰のあまり
すでに鑑賞前から情報が否応なしに耳に入ってきていた今作品。
若きデミアン・チャゼル監督が「セッション」に続いて→過去記事★
アカデミ―賞ほか50もの賞にノミネートされ、日本公開前からの前評判が凄く
ある時は運転中のラジオから、ある時はテレビのコマーシャルで
さんざん予告や曲が流れたおかげで、オープニングテーマに関しては
あのワクワクするイントロがもうすっかり私の耳に馴染んでしまっていた。
しかしながら思ったのは・・・・・なんだか声うっすいなあ。という感想。

ヒロインのエマ・ストーンってブロードウェイで「キャバレー」の主役もやったらしいけど。
(実際にオープニング場面で歌っているのはエマではない)

映画のオープニングはその私が耳タコになったナンバー「Another Day of Sun」。
耳慣れたメロディに乗せて、ロスの高速道路上で歌い踊るのだが、これがすごい!
どうやって撮影したんだろうと思うほどリアルだ、が、さもありなん
実際に高速道路上に車を何十台と入れたうえで、
炎天下の中、ダンサーたちは車の間を縫うようにステップを踏み
車の上に飛び乗ってアクロバチックに跳ね歌い踊る圧巻のシーンなのだ。


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ちょっとひやひやもんだが、これでつかみはバッチリといったところだろうか。
舞台ではあの「コーラスライン」も「屋根の上のヴァイオリン弾き」もいきなりの群舞で始まる。
私はこういう導入が大好きである、ぞわぞわと鳥肌が立ってくるのを感じながら
これこそミュージカルのだいご味や~てなことを心の中で呟くのである。



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主演の二人、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンはこれで共演が3度目だそうだ。
私はそのどれも未見だが、R・ゴズリングは好きな男優の一人。
「16歳の合衆国」「君を読む物語」「ラースとその彼女」「ブルーバレンタイン」
ビデオも含めこれら見てきた作品の中では、どれも違った彼が観られる。
常にそのハンサムな風貌に反した役作りも惜しまない俳優でもある。
今作品でも本人が弾いているということで話題を集めたピアノのシーン
見ごたえのある場面だし、曲自体(ミアとセバスチャンのテーマ)も
非常にメロディアスで切なくて、コード進行がね、泣かせる・・・。
彼の演技力(イヤイヤホントに弾いてるはず!)もう心がわしづかみよ!!

一方のエマ・ストーン
野性味?!のある美貌と低めの声質。
このミアという、女優を夢見る田舎から出てきた勝気そうな女の子をよく体現していた。
ただ個人的に惜しむらくは
スタイルがいいのでダンスの時には見栄えがするが、うなるほどのものでもなく
最後の見せ場の歌のシーンもいま一つに感じた。歌自体音域も狭く作られているし。
ミュージカル好きとしては、正直やや物足りなさが残ったことは否めない。
「バードマンあるいは無知がもたらす悲劇」で注目され始めた彼女の本業は
あくまで役者なのかもしれない。しかしこの作品で主演女優賞に輝いたのだから
まさにこれで大女優の仲間入りを果たしたわけで、これからが期待される。

つまり歌と踊りに関しては、
主演の二人は絶唱もしなければ超絶技巧な技を見せるでもない。
後から歌入れでなく撮影と同時に歌うので、音程の正確さや歌唱力には欠けても
ナチュラルなドラマの進行は邪魔されず、ダンスもほどよく器用にこなしている印象で
すでに言われているように、そこが突然歌ったり踊ったりする既成のミュージカルでない
新しい形の作品になっていて、このほろ苦いラブストーリーを
よりリアルなものに見せている。






映画 ラ・ラ・ランド 写真 に対する画像結果



またこの映画にはあのジョン・レジェンドもキースという役で出演している。
彼は今を時めくR&Bのシンガーソングライター。
私は彼の「Ordinary People」というナンバーが大好きなのだが、劇中でも「Start a Fire]
という曲で素晴らしい歌声と演奏を披露していてここもかなり見せるシーンとなっている。
私はアカデミーの授賞式は見ていないが、確か主題歌・作曲賞もこの映画は取っていて
劇中の「City of The Star」をJ・レジェンドが
ピアノの弾き語りで歌うのをYouTubeで見た。
さすがに巧い演奏と歌で聴くとよりいっそうこの曲の世界観が伝わってきて素敵だった。

楽譜を買おうか迷っているところだ。



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そしてチャゼル監督の念願かなって作ったというこのミュージカル映画には
ファンタジーでハッピーで、あえてある種ベタな演出も随所に見られる。

例えばオーディションに落ち続けるミアが、友人の女の子たちとシェアしている部屋の壁紙に
大きくイングリッド・バーグマンが描かれていたり・・・・・。
「俺はジャズを死なせない」などと言って、ジャズ演奏だけを聴かせるバーの経営を夢見る
セブの部屋にはビル・エバンスやトレーンのCDが置かれ、ホーギー・カーマイケルが座った
とかいうへんてこな椅子を大事にしていたり・・・・・。
(H・カーマイケルといえば、余談ながら
 ついこの前の練習曲で「わが心のジョージア」を歌ったなあ)



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チャゼル監督は映像のきらびやかさ、場面転換の妙、
往年のミュージカルへのオマージュも盛り込みながら
ラスト近く、歌と踊りが華やかに繰り広げられる場面で
観客をまさに幸せな夢へといざなう心憎い演出を見せる。
(結構長いので、私はどうやって着地点を見つけるのかなあと
 やや不安な面持ちで観ていたのだが)

ここで我々はちょっとしたカタルシス効果を感じるのだが、
最後はさらりとビターな余韻を持たせて終る。





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人は夢の中に生きているわけではない。
そして願いが一つ叶う時
同時に大切な何かを
失わなくてはならないことも知っている。

それでも夢を追い、叶う日が来るのを信じながら
いつも小さな夢を見て生きている。
























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by marucox0326 | 2017-03-06 20:50 | sing!sing!sing! | Comments(14)

照る日もあれば曇る日も・・・。そんな日々の戯言です。


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