気取って歩けば…・♪

朝の連続ドラマ「べっぴんさん」
たまにしか見られないが、ここのところジャズ喫茶で
林遣都君がドラムを叩くシーンが気になっていた。
同じ曲ばかり演奏しているので
すっかり耳の中に住み着いてしまったそのメロディ。

聞き覚えはあるのだけれどなんだったっけ?
ず~っと引っかかっていた。
この曲は確か・・・・・・。



f0250403_23505884.jpg

ソニー・クラークだ!
見つけるのに手間取るほど
私はジャズ通でも、CDコレクターでもない。
すぐに探し出せた。

久しぶりに聞いてみるその曲は
「COOL STRUTTIN'」というアルバムに収録された
「BLUE MINOR」

ああこれこれ・・・・

軽快にサックスとトランペットで始まる印象的な出だし
ソニーのピアノに続けてポール・チェンバースのベースへと繋がる・・・・
でも、改めて聞いてみるとこの「BLUE MINOR」
ドラムが特に目立つというほどでもない。
このアルバムのドラムを叩いているのはフィリー・ジョー・ジョーンズ
他のチューンでは彼も際立って派手に目立つ演奏もあるのだが。


f0250403_17335560.jpg


いくつかのCDと一緒に
このアルバムを買い求めたのはいつだったろうか。
洒落た文字のデザインとレイアウト
ヒールを履いた女性の足元の写真に惹かれてだった。
いわゆるジャケ買いである。



f0250403_17341758.jpg

朝ドラの中で
東京に出てドラマーとしての成功を夢見る二郎を演じる林遣都君。
彼は実際にドラムを叩いている。
もともと経験があるのか、演じるにあたって特訓したのかは
わからないが、あの「バッテリー」(これ大好きな少年小説)の映画化で
鮮烈にスクリーンデビューしたかつての美少年も大人になった。
そういえば連沸美沙子ちゃんと共演したんだ、あの映画でも。
なあんて、相も変わらずオバサン目線で
ちょっぴり疲れた感じのどこか世をすねた雰囲気を漂わせた
青年を好演する彼を観ていた。

それにしても・・・・・
なんで、一流ドラマーの片鱗を見せる・・・・的な役柄であるはずの
彼が演奏するのがこの「BLUE MINOR」なんだ?

調べてみると、本国アメリカでは全く売れなかったこのアルバムが
昭和30年代当時、日本にモダンジャズが入ってきたころ、
とても人気を呼び、あちこちのジャズ喫茶で盛んに演奏されたのだそうだ。
つまり日本のジャズ史上、往年の日本人ジャズファンにとっては
ソニー・クラークは欠かせないジャズピアニストであり、
「COOL STRUTTIN'」は外せないアルバムなのである・・・・そうなのだ。

何をいまさらとお思いのジャズ通の皆さんにはお恥ずかしいが
そんなことはなぁ~んにも知らずに今までいた。

なにせ、10代後半に初めて買ったジャズピアノのLPはキース・ジャレット。
嬉々として針を落としてみたものの
う~ん、よくわかんない・・・・
しかも途中なんかうなってるしこの人。
次に薦められて買ったのは
あの超有名なビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビー」
こちらはさすがにすっかり魅了されて
それ以来ジャズピアノは彼一筋に・・・・。
といってもまあ・・・・
その後は洋楽好きながら、ロックやポップスに偏りがちだった。



f0250403_23504713.jpg

数を聴くようになったのは40代後半からだ。
決して詳しくはない。
ただ
モダンジャズばかりでなくガーシュインやC・ポーターは本当に魅惑的だし
同じ曲をヴォーカル、インスト、ビッグバンドで聞き比べたり
新旧のロック歌手がカバーしているのを、今ならYouTubeで見つけてお気に入りにしたり・・・。
まるで新たな鉱脈を掘り当てた気分で、多様なアレンジを聴くことができるのも
私にとってはジャズの楽しみ方のひとつ。




f0250403_00124185.jpg

さて・・・・・・・
「COOL STRUTTIN'」とは「気取って歩く」という意味だそうだ。

聞き終えると朝ドラのワンシーンにも重なって
どこか色あせた写真のように懐かしい。
私の知らない昭和のジャズシーンが浮かぶようだった。





Sonny Clark : piano
Art Farmer : trumpet
Jackie McLean : alto sax
Paul Chambers: bass
Philly Joe Jones:drums




そして先日
おひょいさん(藤村俊二氏)が亡くなった。
一報を聞いてせめて安らかであったことを願うばかりだ。
スタイルもファッションもお洒落で粋・・・
しかもあの優しい笑顔の下には、
どうにも甘えん坊気質のようなものも見え隠れして
憎めない人柄が滲み出ていた。
ご冥福をお祈りする。

昭和がまたひとつ遠くなった。













[PR]
Commented by tabi-to-ryokou at 2017-02-08 18:11
こんにちは
ちょっとだけ参加させていただくと、ビルエバンスは麻薬の常用のせいか、
妖しい凄さと破壊力がありましたね。
彼が51歳で亡くなったあとに、彼が出演したビレッジバンガードを訪ねたことがあります。
でも私が音楽的に好きだったのは、オスカーピーターソンのほうでした。
渋谷の百軒店には彼の名前をとった「オスカー」というジャズ喫茶があって、
第一優先は麻雀でしたが、相手がいない時には第2優先として、
オスカーに行きました。彼のダイナミックな音楽と、あの軽妙なアドリブが好きでした。
オスカーピーターソンは長生きでしたよ。
つい10年くらい前まで生きてピアノ弾いてましたから。
自分勝手に呟きましたが、お邪魔いたしました(^。^)
Commented by nobikunJ at 2017-02-08 20:03
確かに「COOL STRUTTIN'」はジャケ買いNo. 1でしょうね。
ヒッチコックの映画の一場面を思い出させるようなジャケット、私も思わず買ってしまった一人です。
Blue Noteのセンスの良さが出ていますよね。
このレコードは「職人技」集団による名作とも言えるんじゃないでしょうか。
みんな派手さはないけど、一流のテクを持った人たちばかりですから、安心して聴けます。
キースは何をお聴きになられたのでしょうか?
「ケルンコンサート」あたりだったら聴きやすかったかも。
高校生の頃、好きだった女の子を思いながら、よく「ケルンコンサート」を聴きました(照)。
このレコードを聴くと、今でも甘酸っぱい記憶がよみがえります。
ビル・エバンスは私も大好きです。
特にスコット・ラファロと演った「Sunday At The Village Vanguard」はお気に入りの愛聴盤です。
確か、「ワルツフォーデビー」もこの時の録音ですよね。

Commented by marucox0326 at 2017-02-08 21:45
旅プラスさん、こんばんわ。
あらそんな、ご遠慮なさらずズズイィ〜と奥へ^_^
ビル・エバンス
私にはピアノタッチが美しく繊細で完璧、
ちょっとダークなイメージですが、語るほどジャズを
知らないのであくまで私見です^_^

確かトランペットをやってらしたんですよね。そして
さすが、ヴィレヴァン行かれてましたか。
ニューヨークは近々行きたいと思っていますが、
なんかやっぱしキンチョーしそう。
バードランドもブルーノートも憧れです。
名古屋ブルーノートですら未体験なんです。

O・ピーターソントリオいいですね。
バド、パウエルが好きです!って
言われるよりなんか旅プラスさんらしいです^_^
Commented by marucox0326 at 2017-02-08 22:45
nobikunjさん、こんばんわ
コメント嬉しいです。

なるほどヒッチコック、言われてみれば確かに。

キースジャレット初体験は多分「ケルンコンサート」だったと思います。これまたジャケ写買いでしたから(^^;
でも16.7の女の子にはジャズ入門としては今聞いても
ちょっとキツイです。で声入ってますよね?あれもね…
なんかキースについてはビリーホリディやコルトレーンと似たもんがあります。意味はご想像にお任せしますが(^^;

ビル・エバンス、彼のリーダースアルバムでは
ポートレートとかラファロの死後のムーンビームスとか
オングリーンドルフィンストリートとか好きですけど……
これまた多分にジャケ買いの要素も入ってるかも。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
by marucox0326 | 2017-02-08 01:08 | 話の小部屋 | Comments(4)

照る日もあれば曇る日も・・・。そんな日々の戯言です。


by marucox
プロフィールを見る
画像一覧