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酔いどれ詩人に癒されて・・・・。

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お酒が飲める人を羨ましいと思う夜。
つまりちょっとばかりへこんだ夜。

聞きたくなる歌声は、トム・ウェイツ。


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美しいピアノの旋律と
相反するように
たばことお酒で潰したかのような
27歳とは思えない、しわぶきvoice。


誰も見咎める者もいない一人きりのリビングで
涙がとめどなく溢れて来ても、拭う必要もない。
仄暗いランプの灯りの下で、そのダミ声が
とてつもなく優しく暖かく胸の中に沁みわたる。



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電話口の母はある人間に対してとても怒っていた。

電話をかけるのはいつも私。
つじつまの合わないストーリーを
語られるのにも慣れっつこ・・・・のはずだった。

少しずつ脳の回路が壊れて行く母はしかし
まだまっとうな理解力も十分備えている。
完全に「おかしな人」になってしまってはいないことが
相対する立場の人間を困惑させる事がしばしば起きる。

認知症といえども、そんな気配を感じさせない様子で
真実と作り話がないまぜになった被害妄想に付き合わされると
声を荒げてしまう未熟な自分がいる。
離れているときは悲しくてしかたがないのに。

残酷な神様のこのはからいは
きっと介護者の人間性を問うているのにちがいない。

遠距離介護に頑張る娘・・・・ただ仕事のようにこなしているだけなのに。
偽善的な自分が嫌になって、そっとトムに助けを求めた。



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澄んだ冷たい冬の空の下
ひとしれずやり切れない思いに、やりばのない悲しみに、
じっと耐えているあなたにも聴いてほしい。















Commented by yu_ado at 2016-01-11 21:24
marucoxさん、こんばんは~

智恵子が好きというより、光太郎とセットの関係性かなと思っています。
男女の恋愛は、相手の人格をとことん受け入れて認め合い、尊敬しあう。そして更に価値あるものを築きあげていくもの、そういうことを教えてもらったように思うのです。

今日の記事は、切ない、愛あるが故の哀しみと苦しみを書かれていて、過去に同じような心の体験を経ているので、身に詰まされます。

子としてのご自分を責めないで、ウィスパーボイスに、お酒を呑まずに、酔い痴れてくださいね。
とろんと溶けるように^^

視聴させていただきましたが、仰るようにはまりそうな声質ですね。私は飲めるほうなので、酒量が増しそうです。

Commented by marucox0326 at 2016-01-12 18:13
あどさん、こんばんわ。

私も高村光太郎の智恵子と出会ってからの詩作は
率直でわかりやすくて、中でも「レモン哀歌」は
好きな詩なんです。

あどさんにのご体験に比べれば・・・・。
お恥ずかしいです。
つまらない話におやさしいお言葉
ありがとうございます。
母が怒っていた「ある人間」とは私のことなのです。
母の中には何人もの「私」がいるので、気にしない
ようにはしていても堪える時もあるわけで。。。。
でも私のように簡単にへこむ人間は立ち直りも
簡単なので、大丈夫ですよ~。

トム・ウェイツは「酔いどれ詩人」と評されるほど
詩もいいんですね(英語は得意ではありませんが)
夜の酒場、たばこの紫煙とお酒が似合うそんな
ピアノマンでもあるんです。
Commented by nobikunJ at 2016-01-12 18:34
トム・ウェイツを知ったのは、例のジム・ジャームッシュの「ダウン・バイ・ロー」が公開された頃と重なるのですが、やはり私もその「歌声」にはびっくりした派です。雑誌のインタビューでブルース・スプリングスティーンについて聞かれ、「地に足がついた素敵なヤツさ」と皮肉っていたのを妙に覚えています。考えてみれば、トム・ウェイツとスプリングスティーン、まったく対極の存在ですものね。音楽性は当然、トム・ウェイツの方がはるかに肌にあいます、
「酔いどれ詩人」というタイトルで、最初はブコウスキーのことかと思いました。「酔いどれ詩人」、いいなあ、一度でいいからそう呼ばれてみたい。「酔いどれ」の部分は自信があるのですが(^^;)
お母様、大変ですね。私の父も今年米寿です。時に電話で同じことを繰り返すので心配ですが、まだ元気なのでありがたいです。
Commented by marucox0326 at 2016-01-12 22:11
nobikunJさん、こんばんわ。

CDあと2枚持っているんですが、見当たらなくて^^;
ジャームッシュの映画は
「ナイト・オン・ザ・プラネット」だけ見ました。
当時、ウィノナ・ライダーが大好きだったので
単にそれだけの理由で^^;。
当時は気にもとめなかったんですが、
この映画の音楽を彼は担当してたんですネ。

映画では「ワンフロムザハート」や「ショートカッツ」にも
関わっているトム・ウェイツ。
映画を観た当時は、彼のことはまったく知らなくて。
でも前者はとても好きだった映画だし(音楽担当)
後者はずっとあとになって、ビデオで確認しました^^;
ブコウスキーさんについてはわからないのですが、
俳優としてや映画音楽でも活躍していて
だみ声から連想するのはルイ・アームストロングかなあ。
でも底抜けに明るいアームストロングとも
イメージは違いますね。

ありがとうございます。
でも誰しも色々抱えて生きているわけですから。
こんなことでお恥ずかしいです。

お父様と母は同年代です^^
いつまでもお元気で居ていただきたいですね。
Commented at 2016-01-12 23:39
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by francana at 2016-01-13 15:42
離れていると思いはつのるのに、直接話したり近くにいるとぶつかtってしまう、家族って大なり小なりそんなものだと思います・・・
未熟な自分、毎日毎日感じでいます~
トム・ウェイツは「Closing Time」だけ持っていますよ。ずぅっと前に、あの声に惹かれて買いました。
彼が出演した「ダウン・バイ・ロー」、見たのはかなり前のことですが、よかったのを覚えています。
Commented by marucox0326 at 2016-01-15 13:06
2016-01-12 23:39の鍵コメさん、
お気遣いありがとうございます。

もう大丈夫ですョ。自分を解放する術も
心得ておりますから^^

老親介護はいずれだれもが多かれ少なかれ
体験することですけど、その時になって見ないと
わからないこと出来ないことばかりです。

最近の屋台フード、疎いです^^;
Commented by marucox0326 at 2016-01-15 13:52
francanaさん、こんにちわ。

そうですネ。francanaさんも故郷を遠く離れて
異国にお暮らしの中、ご苦労も多いことと思います。
そして身近にいても、甘えや気軽さから衝突してしまう
こともありますし・・・難しいですね、人と人って。

トム・ウェイツいいですよね。
彼を知ったのは[Closing Time」の中の
「Ol’55」をイーグルスバージョンで聞いたのが
きっかけでした。

「ダウン・バイ・ロー」見てみようかな。
なにせ、ロベルト・ベニー二が、苦手なもので・・・・。
「ライフ・イズ・ビューティフル」も
期待して見に行ったけど、逆にしらけてしまいました。
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by marucox0326 | 2016-01-11 18:05 | sing!sing!sing! | Trackback | Comments(8)

照る日もあれば曇る日も・・・。そんな日々の戯言です。


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