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したためていますか?


私も今や、自筆でなければ失礼にあたるかもしれない相手にしか
書かなくなってしまったものーそれは手紙。

普段の通信手段にも、頻繁に手紙を出すという方が
どれくらいいらっしゃるのかは知らないが
インターネットやSNSなどのツールが幅を利かせる現代では
それほど多くはないと推察される。

さらに「ラブレター」とか「恋文」とかに至っては
もはやほぼ過去の遺物となってしまった感がある。

想いを寄せる相手に、秘めた情熱をほとばしらせて
手紙で愛の告白・・・・・なんて、今の若い人はするのだろうか。
現代の若者たちを眺めていると、男女間には恋愛と濃密な友情のどちらもが成立し
まあそれはそれで結構なことではある、しかしながらその境界線は
いかにもアバウトなためにいとも簡単にひっくりかえり
くっついたり離れたりしている気がする・・・・・というのは言いすぎだろうか。
いやしかし本音を言えば・・・・
そんな平成男女の恋愛事情も、いささか羨ましい。
なぜならアラカンの今も、「純粋無垢ゆえに男を振り回す恋多き女」
ってぇのに、少々憧れているせいである。(遠慮なくお笑いあれ)




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手紙で思い出したのは・・・・。


「Love Letter」
1995年 岩井俊二監督
恋人を山で失った過去を持つヒロインが、その恋人の中学時代の卒業アルバムに
その当時彼が住んでいた住所を見つけて、ふと思い立ち手紙を出す。
図らずも、送られてきた来るはずのない返事。
それは、彼の中学時代の同姓同名の同級生からだった。



ビデオで、随分以前に2回見た。
ここからはあくまで個人の感想である。

最初に見た時は、作品自体はなかなか面白いと思った。
しかし申し訳ないが、中山美穂がつまらない。
彼女の透明感のある美しさにはまったく異論はない。
だが「おげんきですか~~」って山で叫ぶ場面にしても
どうもなんだか、胸に迫るものがない。
むしろヒロインの恋人と同姓同名の同級生の中学時代を演じた
(ややこしい・・・・)
酒井美紀の、初々しさとピュアで硬質な美しさが印象的だった。
范文雀の母親役の意外性や、こういう映画にイイ感じで必ずでてくる
中村久美や、あの鈴木慶一等の配役もアクセントが効いていた。
ミポリンの魅力を映画に見いだせなかった私だが
映画はヒットし、中山美穂はこの作品で認められ
数々の映画賞を取ったのだから、たぶんこっちがひねくれているのだろう。
(その後の「サヨナライツカ」も頑張って見たが・・・・う~ん。)

他には、場所が神戸と小樽という設定なのに
神戸にいる人々はもちろん、登場人物では
豊川悦司だけが関西弁をしゃべるのが、目立ってしかたない。
果たしてその必要性があったのかと思うほどだ。
全員標準語でも良かったのになあ。

また遭難の現場に居合わせた豊川悦司が、その瞬間を回想する場面で
滑落した中山美穂の恋人が、深い谷底で「青い珊瑚礁」を歌うという描き方。
感傷に過ぎてファンタジーにしてしまっている気がして、違和感が否めなかった。





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「文月」の由来は、諸説あるらしいが
ひとつには、7月は七夕の行事があり、
短冊に願いを込めて書く風習から来ているとか。

それにしても、手紙をしたためることは容易ではない。
便箋や封筒を選ぶ→文章を考えて何度も書き直す→ポストに投函する。
この一連の動作の中にどれだけの、時間と労力と逡巡があることか。


今日も戯言におつきあいいただきサンキュ。
せめてものお礼に
最後は、大好きなこの曲で
暑さも吹き飛ばす爽やかな風をお届けできれば
嬉しゅうござんす。

Did you get my card?
Did you read my love letter?
Did it touch your heart?
When you read my love letter.













Commented by tabi-to-ryokou at 2015-07-21 16:22
こんにちは

手紙を書くのが当たり前の時代に育った私といたしましては、
現在、SNSやメールにこれだけ時間を割き、PCを手放せない自分が、なんとも不思議に思います。

昔は下手糞な字で、よく恥ずかしげも無く手紙を書いてました。
でも「純粋無垢ゆえに女性を振り回す恋多き男」ではなかったように思います(笑)

学生時代は渋谷の東急名画座とかで、1コインで観れる映画を片っ端から観てましたが、
社会人になってから、あまりに忙しすぎて映画を見るのは機内だけという情けない状況です。
なので、中山美穂さんの映画は観たことがありません。
ラブレターという作品は、筋書きは面白そうですね。

ただその作品に限らず、日本の映画全体がつまらなくなってしまったというのもありませんか。
この10年くらいは、ドキドキ、ワクワクする邦画に出会ったことがありません。
その面では、若い作家が書く小説には面白いのが、時々出てきます。
今回の芥川賞・直木賞なんかは、ちょっと読んでみようかなと
思います。
昔は、こんなふうに、自分の思うことを起承転結も無く、ただ書き連ねてたことも
今、思い出しました(笑)
Commented by kumama47 at 2015-07-21 22:16
こんばんは(*^^*)

手紙書かないですね。
なのに紙の物が好きなので、便箋や封筒は沢山持ってます。
子供の頃は、お中元やお歳暮のお礼状を書く母を見て「大人になって、奥さんになったら大変」って思ったけれど、奥さんになってもどこからも何も届かず。ついぞお礼状も書かずじまいです。(笑)

「ラブレター」確か中国でも大人気の映画で、ロケ地に海外から沢山の観光客がくるそうですね。
見てないのは、中山美穂が主役だからかな(^^;;
Commented by nana at 2015-07-23 23:13 x
おはようございます。

私は「ラブレター」観ました。おっしゃる通りです。観ていてなんだか気を使ってしまいます。
手紙、私も随分書いてないですね。暑中見舞い、書いてみようかな~♪
Commented by marucox0326 at 2015-07-24 12:31
旅プラスさん、こんにちわ。

お返事遅れて申し訳ありません。

今も、筆まめでいらしたころと変わらず
コメントのお返事も、いつも丁寧にされて
らっしゃいますよね。
理系と伺っておりますが、歴史、文学、美術など
各方面において造詣が深くて、いつもお勉強させて
いただいております。
ゆえに、相当数の女性を振り回してらっしゃったこと
と思いますけれど。
中山美穂さん、女性の支持率高そうですが
女優としてはどうなんでしょうね。
「スワロウテイル」で、若い人中心にブレイクした
岩井俊二監督が、ヒロインと、その恋人と同姓同名の
異性の同級生との一人二役に、中山美穂と言う
人気女優を配して撮った「ラブレター」
でもその後は・・・・って感じです。

日本映画も「タイタニック」のころまでは
洋画に押されっぱなしでしたけれど
その当時に比べれば、今は海外で賞を取ったり
頑張ってきているのではないでしょうか。
個人的には、「そして父になる」(コレ見てない)
の是枝監督とか、「かもめ食堂」「めがね」の
荻上直子監督とか好きです。

又吉さんの「火花」話題性だけでもスゴイですネ。
私、彼のブログをかつて読んでいたことがあり
短いんですけど文章の巧みさと、その膨大な読書量は
知っていました。
古典をすごく読んでいらっしゃるけれど、太宰と
中村文則が好きっていうだけで共感しちゃいました。
Commented by marucox0326 at 2015-07-24 12:37
kumamaさん、こんにちわ。

お礼状だけは自筆ですが、
私も書く機会は少ないですネ。
昔は集めてましたねえ、文具全般。
でも今はめったにわざわざ買わないなあ。
古い海外のカードとかぐらいですかね。

そうそう中国では酒井のり子なども
人気が高いそうですね。
Commented by marucox0326 at 2015-07-24 12:40
nanaさん、こんにちわ。

ごらんになりました?
胸を打たれるというより、なんだか奇麗なおとぎ話
って感じでした・・・そこがいいのでしょうが、
やはり、遭難死というものに対する捉え方は
ちょっと・・・・と思いました。
Commented by tawrajyennu at 2015-07-26 16:44
こんにちは!

手紙、1年のうち数えるほどしか書かなくなりましたね~
それでも、書き出すといろいろとつらつら書いてしまいますし、
返事が来るのを待つ間が何とも言えず楽しみでもあります。
昔ほど書かなくなったとはいえ、可愛い切手とか素敵な切手を見ると買ってしまい、
結構堪ってます、切手!

PCは止めたという友達がいるので、これからは
書く機会が増えるかもしれません。
Commented by iris304 at 2015-07-27 09:33
こんにちは

『したためる』という言葉は、私の中ではもう終わった言葉の様な暮らしです。
ハガキは時々書きます。
それに、XmasCard、そのための記念切手です。
長い間、日本を留守にしていたので、
その間、ほとんど映画を見ていないので、
当然、ラブレターもみていないのですが、、、
以前は映画の中で手紙はとても大切な位置づけで
使われていましたよね。
そういう意味では、書かれた物,文章という物の存在感は
時代と共に随分と変わってきていますね〜

太宰と松本清張は同い年だそうですが、
書かれた物をみると、
なんだか、不思議な気がします。
普遍的な題材とそうでないものの違いかもしれませんが、、、
太宰が長生きしていたら、どんな文章を書いたのだろう?とか
向田邦子だったら、どんな表現をしたのだろうとか思いますが、
いつの時代も新しい作品が生まれて
今の時代を作りあげていくのですね。
Commented by marucox0326 at 2015-07-27 12:20
tawarajyennuさん、こんにちわ。

手紙の持つ温かみなどといいますが、
いまやパソコンで、文字のフォントも選べて
背景をいれて文章が書け、便箋要らずだし、
ビデオレターやオリジナルに編集したフォトブックなど
あらゆることが出来る時代です。
私も、決して詳しくはありません。
でも、パソコンの操作性も以前よりずっと
簡単になっている今、手書きのほうが心がこもっている
などというのは、私も含めデジタル音痴の言い訳に
過ぎない気もしています。

しかしながら素敵な切手でいただく手紙
これもまた嬉しいものです。
どちらも使いこなせるバーさんになりたいものです^^;
Commented by marucox0326 at 2015-07-27 12:52
irisさん、こんにちわ。

そうですよね。
書かれた文字にはその人の個性が出るし、
小説や映画の格好の題材ですね。
「恋文」という連城三紀彦さんの切ない
短編(映画化もされました)もありました。

でも手紙は残るので、後年読み返すと
新たな発見や思いがあって
ある意味「罪つくり」なものかもしれません^^;

素敵な外国のカード、これもまた
いただくと嬉しくていつも大事にとっています。

太宰と清張は同い年だったんですね。
片や地方の資産家の放蕩息子、自殺未遂を繰り返し
喉から手が出るほど欲しかった芥川賞を取れず
片や貧困の少年時代を送りながら苦労を重ね
芥川受賞後も、推理小説作家として成功する・・・・

いずれにしても昔の小説家は
命を削って物を書いていた印象がありますね。
Commented by nijiirodays at 2015-07-27 21:16
出遅れまして、こんばんは~

うーん、最近したためたのはいつだったけかな?
おおー思い出しました。
会社の同僚の娘さん(現在、小2)が私の似顔絵を描いてくれたので、
そのお礼のお手紙を書いたら、また似顔絵を描いてくれて。。

3・4回遣り取りするも、
沙汰無しとなってかれこれ一年。。

その機にたくさん仕入れた便せん&封筒
とっても可愛らしい柄なんですけど、
どうしたものかしら・・・(-_-;)
Commented by marucox0326 at 2015-07-28 10:21
nijikoさん、おはようございます。

あら~可愛らしいエピソードですね^^
でも、3・4回も続いたなんて素敵です。
そのお嬢さん6・7歳でしょう?
文字はまだおぼつかなくて、ペンフレンドになるには
少し幼すぎたのかもしれませんネ。

私も手つかずのレターセットたくさんありますよ~。
中をめくると沢山書けるようになっていて、投函時は
葉書になるやつ(DMなどでよくありますよね)
一時集めてたなあ。

Commented by 40ansparis at 2015-08-03 23:55
marucoxさんの分析からすると、日本の男女もフランス化して来ている、、と言う事でしょうか。フランスは愛も友情も境目が曖昧なんてものじゃなく、、、哲学でも良く論議にある位昔からの永遠のテーマらしく、、、。
手紙も電話も、今の携帯が無かった頃だからこそ、恋愛ではすれ違いや勘違いや人生の皮肉なイタズラによって切ない思いをしたものですけど、もう今は、何処にいても、何時でも連絡出来てしまうから、、、身をよじるような切ない思いとか分からなくなってきているんじゃないでしょうかねえ。ロミオとジュリエットなんて、携帯があったら長いお話にもなりません、笑。
便利な時代、良いのか悪いのか、、。小説の展開も携帯の無かった昔と今では全く変わってしまいましたよね。
Commented by marucox0326 at 2015-08-04 17:15
ラパンさん、こんにちわ。

いやあ、分析だなんて単なる私個人の感想
でしかありませんが^^;

恋愛感情に発展する瀬戸際の状態を
楽しむのもアリだし、旅行も行くけど
トモダチでしかないよとか、恋人?めんどくさい
なんていう植物的男女関係もアリ。
昨今の日本の若者たちの自由な男女観・・・・
色々な意味でボーダーレスになってるようです^^;
ただ、男女間のありかたをも突き詰めて議論する
フランス人の国民性には遠く及びませんが。

「手紙」になり変って市民権を得たメール。
文字を起こすという意味では、手紙と同様に、
書くことのもどかしさや誤解は
つきものでしょうが、簡便で早く相手に伝わり
早いうちの修正も可能なので
大事故に繋がることはなくなったかもしれません。
文明の恩恵を享受している身には
もはや欠かせないツールとなりました。
ロマンチックと引き換えにネ。
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by marucox0326 | 2015-07-21 14:37 | ひとりごと | Trackback | Comments(14)

照る日もあれば曇る日も・・・。そんな日々の戯言です。


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