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イギリス映画あれこれ②

足元から冷え冷えとする朝。
こういう時にベッドから起きだすのは
相当辛い。泣きたくなるくらい。

今年の寒さはいったいどれほどまで?
考えるだけで憂鬱だ。

来るなよ~冬将軍
英語で言うと General Winter(まんまやん!)
この言葉、誰が言い出したのかと思いきや
1812年、ナポレオンがロシアに侵攻した際、
あまりの寒さに撤退したことから、厳しい寒さを
将軍になぞらえたという謂れがあるとか。

来るならせめて
「冬少佐」か「冬大尉」くらいにしてって
ゴロ悪いやんっ!

アラカンの一人突っ込み
毎度お見苦しいところ
おつきあい、ありがとさん。




やっと本題である。
しかも本編と全く関係ないマエフリからの・・・・。



「いとしのエブリデイ」 2012年イギリス映画 
              監督 マイケル・ウィンターボトム
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この映画
大きな事件は起こらない。

でも夫が不在の、子だくさんの家族が体験する
よくあるようなことを、映画は淡々と描いていく。
それはどこにでもある家族の風景。
唯一つ、ダークな要素である
「不在な父は犯罪者である」ということを除いては。

狩りに出かけたまま中々帰って来なかったり、
外出許可の出た父親に家族で会いに行った先で
どこかへいってしまい、親を心配させる長男。

長らくの夫のムショ暮らし、ついつい男になびいてしまう母親。

収監中でありながら、麻薬を刑務所内に持ち込み
刑務所移送の憂き目にあう父親。

それぞれにちょっぴり弱くて、複雑な内面を抱えつつ・・・・。

父不在の家で、子供たちは
毎朝シリアルを食べ、学校に行き、

日々は過ぎていく。

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収監中の夫に代わって昼夜働き
4人の子供を育てる母親を演じた
シャーリー・ヘンダーソンは、現在なんと48歳。

生活の辛さにヒステリックになったり、
にじみ出る疲れた表情が、童顔の彼女を
しばしば年齢相応に見せる瞬間がある。

それも監督の狙いだったのかと思ったりするが
実は彼女、ウィンターボトム監督作品の常連だ。

最近ではハリポタ(私は見ていない)にも出ているらしい。



そして、この映画にはドキュメンタリーな味わいも・・・・。

実際の刑務所で撮影されただけあって
刑務所内のシーンは臨場感がある。

その中での子供たちの様子もまた
単に可愛いというより、所在なくどこか戸惑っているよう。
周囲を気にしながら、それでも一生懸命に自分のことを
父親に話す様子が妙にリアルだし、
刑務所の場面での父親役のジョン・シムは
あまりに溶け込んでいて
実際に囚人なのかと錯覚してしまうほどだ。



そして夫は出所する。



出所した日の晩のベッドで、妻は夫に不在中の不倫を告白し
夫は子供たちにも聞こえるような罵声を彼女に浴びせたのだが・・・・。

その翌日の子供たちの合唱会。

歌う子供たちを笑顔で見守る二人の表情は
ごく普通の温かな親の顔でしかない。

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監督もお気に入りだというラストシーン。

家族は海に出かけ、
カメラは俯瞰しておわる。

なにごともなかったかのように。
ずうっと仲のいい家族であったかのように。

でも実際はそんなものだ。
彼らはこれからもちょっとしたもめごとを
起こしながらもこうして寄り添って離れずにいる気がする。
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お写真はパンフレットから
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by marucox0326 | 2013-11-29 18:06 | スクリーンの向こうに | Trackback | Comments(0)

照る日もあれば曇る日も・・・。そんな日々の戯言です。


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